人間関係のコツは「過不足なき配慮」だった

人間関係のコツはいろいろありますが、中でも「過不足なき配慮」というのは重要です。

多くの人が配慮のさじ加減がわからず、不足したりやり過ぎたりします。

また、配慮そのものが働かないで人間関係が上手くできないケースもあります。

今回は人間関係のコツといってもいい「過不足なき配慮」についてメールやSNS、交流会などの例を交えて解説します。


【筆者プロフィール】
心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。コーチとしても様々な目標達成に携わる。
著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」は台湾でも出版された。
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【例】配慮のないメール

人間関係を良好にし、維持するコツは「過不足のない配慮」です。

配慮というのは無かったり足りなかったりしてもやり過ぎても、相手と良い関係は保てません。

わかりやすいところで、メールやラインのやり取りを例に挙げましょう。

例えば、私のところにカウンセリングやセミナーに関して、問い合わせが初めての方からメールが来たとします。

初めてのメールなのですが、いきなり本題の文章でメールが始まる人がいます。

例えばこんな感じです。

「セミナー、日曜は参加出来ないので、土曜日開催は無いのですか。」

文面はこれだけです。

名前も名乗らず、挨拶もなく、いきなり本題。

しかも、文体もやや乱暴で、たった一行で終わり。

しかも、私はこのメールの送り主には会ったことも無いし、メール等のやり取りをしたこともありません。

家族ラインじゃあるまいし、これは無いと思うのですが、こういうメールが来ることがあります。

名前は名乗れないとしても、せめて

「いつもメルマガを拝見している者です」とか「ホームページを拝見してメールを送らせて頂きました」

といった前置きくらいは添えてほしいものです。

【例】配慮のあるメール

一方先日、あるイベントで「いじめ」をテーマにした講演を行いしました。

そこに参加した大学生から、facebook の友達申請が来ました。

その時のメッセージの書き出しの文面が以下です。

「突然のご連絡失礼いたします。●●大学1年の△△と申します。▲▲イベントで鈴木先生のお話を伺わせていただきました。」

この前置きの後、友達申請させてくださいという本題の文章が続きます。

こういうところを手を抜かずにコミュニケーションを取るというのはとても大切なことです。

こういうところで手を抜く人は、おそらく他の場面でも同様にしているはずです。

人間関係、一事が万事ですからね。

過度な配慮になるのは「嫌われたくない」という心理から

逆に過度な配慮(のつもり)も、逆効果です。

例えば、メールやラインでも、自分が返信する形でないと終われない人。

この場合、相手からすると、またこちらから返信しなければならないという余計な気を使わせてしまうことになります。

この過度な返信にこだわる人の中には、他人から嫌われないようにということを気にし過ぎるのが原因の人もいます。

こうした何らかのコンプレックスが強いと、実際に返信したら相手がどういう印象を持つのかという想像力が働かなくなってしまうのです。

相手からどう見られるかは気になりますが、相手が実際にどう見ているかは見えていない状態なのです。

メールの文面が長い人、一人で喋り続けてしまう人

また、メールの文面が過度に長い場合。

自分の思いを吐き出すのみが目的のようなメールがあります。

読む相手の事情、立場、気持ちなどに想いが至らないのです。

それから、何人かの集まりで、一人でずっと喋り続けて「場」を独占する人も同様です。

自分のことをわかってほしい、喋りたいという気持ちが大き過ぎ、周りの人がどう思うかや、周りの人の話したいという気持ちが見えなくなってしまうのです。

いずれにしても、人間関係はこうした配慮を利かすことが結構大事になります。

やり過ぎず、かといって欠くことなく、つまり「過不足なく」配慮できると、良好な人間関係につながります。

過不足なき配慮ができるようになるには

過不足なき配慮を身につけるカギを握るのは、自分の中にあるコンプレックスに気づき、それを克服すること。

それと同時に、自分以外の人間の内面に対するアンテナを磨くこと。

さらには、言葉の選び方や正確な話の聞き方、そして適切な受け応えのコツを身につけることです。

ただ、こうしたことは学校教育では、学ぶ場も機会もありませんし、大人になってからは社会生活の中で、自分で身につけるしかないのが実情です。

私はいずれ、こうした基本的な「人付き合いの仕方」や「会話、コミュニケーションのスキル」を学べる場を設けてみようかとも思っています。

【動画】傾聴・カウンセリングの応答技法の事例

最後に、コミュニケーションのヒントとして傾聴・カウンセリングについて事例つきで解説します。
傾聴・カウンセリングの応答は、オウム返しでも繰り返しでもありません。
オウム返しは必要な場面が限られてきますし、ただ感情を拾えばいいというものでもありません。
相手の話を聞いたらどう言葉を返せば良いかを具体的に学ぶことが大切で、今回は事例を使って心理カウンセラーが解説します。

ぜひご覧ください。

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心理カウンセラー鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
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