人間関係を良好にする秘訣は距離感

カウンセリングで相談を受けるテーマナンバーワンが、やはり「人間関係」の悩みです。

人間関係を良好にする秘訣で意外と見落とされているのが「距離感」です。

この距離感の取り方が上手にできるかどうか。

そこを心得ている人は人づきあいが上手なんですね。

今回は人間関係を良好にする秘訣である距離感について解説します。

人間関係の距離、遠い?近い?どっちが良いか

人間関係を良好に保つには、距離感が大切です。

誰彼かまわず距離を近づけようとするとやけどします。

かといって、誰とも距離を近づけられないと孤独を感じます。

相手によって人間関係の距離は変わります。

緊密な方が良い関係もあれば、ある程度距離を保った方が良い関係もあります。

人間関係が良好な人

人間関係を上手に築き、なおかつ上手に維持する人は、こうした距離感の取り方が絶妙です。

お互いが居心地よい距離を知っているかのようです。

相手のこともよく見えていて、相手と自分を時々俯瞰してみながら、その時その時のコミュニケーションの取り方を選択しています。

そして人間関係を上手に築く人は、一人でいることを楽しむのも上手です。

一人でいても不安にならないのは、人の評価に自分の価値を求めたりしないからです。

それでいて必要があれば、人と一緒にいろいろなことが出来たりもします。

マズローはこれを「自己実現的な人間の特徴」の一つとして研究していました。

失敗する典型的な人間関係のパターン~その1~

Aさんは、比較的いろいろな人とすぐに仲良くなります。

初対面の人とも、かなり短期間にガッチリと仲良しになります。

ところが、しばらくすると、あれほど仲良しだったのに、ケンカ別れしてしまう。

Aさんは、こうしたパターンを繰り返してしまいます。

つまり仲良くなるのも早いが、別れるのも早い・・・ということですね。

これは友だちづき合いだけでなく、恋愛でも同じケースがよくあります。

芸能人でスピード離婚などといって話題になるケースもありますね。

なぜAさんは人間関係に失敗ばかりするのか

なぜこのような事態が起きてしまうのでしょうか?

カギを握るのは互いの距離感にあります。

失敗するのはこの場合、人間関係の互いの距離が近くなり過ぎたり、近くなるのが早すぎたりしたためです。

ここで、人間関係が親密になっていく過程を考えてみましょう。

先ずは「はじめまして」からスタートし、会う回数を重ねていきます。

すると、回数を重ねる度に、互いに親しみを増し、関係は密度を増していきます。

コミュニケーションを重ねることで、互いの人間性に対する理解も深まります。

その結果、親友になたり、恋人同士になったりする場合も出てきます。

ここで、先のAさんの場合を考えてみます。

Aさんの場合、このような関係の深まりが短時間過ぎたということがあります。

つまり、段々と近くなっていく距離の時間が短すぎたということです。

もう一つは、距離そのものが近くなり過ぎたということです。

相手との関係性によって、人間関係の距離は違ってきます。

誰とでも近い距離になればいいというものではありません。

近すぎる距離感から適度な距離感の対人関係へ

二・三度しか会ったことのない相手と、十数回会った相手とでは、その距離感に違いがあるはずです。

また、職場の同僚と家族、親友とは、それぞれ同じ関係性ではないはずです。

大切なのは、それぞれに対する適切な距離感です。

この適切な距離感、自分の距離感というものがあると、人間関係は良好になります。

ある意味、どんなに近い関係であっても、そこには一定の距離感が必要です。

それが親子であっても、恋人であっても、夫婦であってもです。

近いけれども一定の距離感があることで、その関係は長く継続します。

「親しき仲にも礼儀あり」ともいいます。

例え家族同士であっても過度の甘え(依存)があると、その関係はギクシャクしてきます。

Aさんの場合、この距離感が希薄なために、誰とでも近すぎる距離に陥ってしまいました。

そして、関係を深めるための段取りも乱暴に飛び越えてしまったのです。

失敗する典型的な人間関係のパターン~その2~

一方Bさんは、逆になかなか距離感を近づけられない人です。

初対面ではそこそこ会話が出来ても、そこから先の関係を深められないのです。

この場合、会うたびに親しくなるのではなく、会うたびにどう関われば良いのか戸惑うようになります。

結果として、会うのを避けるようになったり、お互いに気まずくなって疎遠になっていきます。

こういう場合、自分自身を否定的に捉えていたり、人間そのものに警戒心があることがあげられます。

そのために、相手との関係性を深める段階で、自然に行われる「自己開示」が起きないのです。

いずれにしても、人間関係、距離が遠すぎると、それは寂しく、また冷たいものです。

一方、その距離があまりに近すぎると、心の負担になり、やけどもします。

相手によって丁度良い距離感を掴み、それを維持することが、良好な関係を保つ秘訣です。

人間関係を良好に保つのも、社会生活を送る上での一つのスキルです。

スキルというものは上達させていくことができます。

人間関係スキルを上達させるには、模倣と経験による試行錯誤が大事になります。

上手な人のやり方(接し方)を研究し、取り入れ、試行錯誤の経験を積み重ねます。

その過程で「コツ」を掴み、自分のスキルは磨かれていきます。

人間関係を良好にする秘訣、距離感。

その距離感を掴むためには、模倣と繰り返しが必要になります。

【動画】人間関係が苦手な人に共通するあの特徴

最後に、人間関係が苦手な人に共通特徴と対処法を短い動画で解説しています。

人間関係が苦手な人にはある共通した課題があり、そこを克服していくと苦手意識はなくなるので、ぜひご覧ください。

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心理カウンセラー鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
コーチとしても様々な目標達成に携わる。
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