なぜ40代は人間関係をスリム化するのか?アンケートにみる「量より質」の人づきあい

【この記事の内容】

40代を迎えて、20代や30代の頃と比べて「人付き合いが何だか疲れるようになった」と感じることはありませんか?

実は、多くの40代女性が同じように人間関係の変化を感じ、意識的に付き合い方を整理しています。

欧米でもミドルエイジにおける人間関係の断捨離が進んでいると言われていますが、日本国内でも同様の傾向が見られます。

今回は、2026年6月に実施されたアンケート結果をもとに、40代女性のリアルな人間関係の現状と、心が軽くなる人付き合いのコツを心理カウンセラーの視点から詳しく解説します。


【筆者プロフィール】
心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。コーチとしても様々な目標達成に携わる。
著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」は台湾でも出版された。
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40代女性へのアンケートからわかった人付き合いの変化

ライフスタイルや環境が大きく変わる 40代において、人間関係にどのような変化が起きているのでしょうか?

「GLAM(グラム)」が2026年6月に実施した、40代女性約300人を対象とした人付き合いに関するアンケート調査では、非常に興味深いデータが明らかになりました。

なんと、半分以上の人が「40代になって20代・30代と比べると人との付き合い方が変わった」と回答しているのです。

多くの女性が年齢を重ねる中で、これまでの人間関係のあり方を見直していることがわかります。

40代女性が選ぶ「量より質」の人間関係とは?

具体的に、付き合い方に対する考え方はどのように変化したのでしょうか?

アンケートの結果、最も多かった回答は「付き合いの量より心地よさや気が合うかを優先するようになった」というもので、全体の43%を占めました。

一言で言うと、人間関係を「量より質」で捉えるようになった人が非常に多いということです。

次いで多かった回答は、「友人を広く浅く増やすより少数の本当に大切な人を選ぶようになった」で28%にのぼりました。

さらに、「義理や惰性の付き合いを意識的に減らした」という回答がそれに続いています。

若い頃のように「誰とでも仲良くする」ことや「友達をたくさん作ること」を重視するのではなく、自分が本当に心地よくいられる関係を自ら選択するようになっています。

40代が手放した人間関係とは

では、40代女性たちが実際に「手放した」人間関係にはどのようなものがあるのでしょうか?

アンケートで回答が多かったものを、順に見ていきましょう。

まず、最も多かったのが、「マウントや噂話が多い人間関係」を減らしたという声です。

他者と比較してマウンティングをしてきたり、誰かの噂話ばかりを口にしたりする人との付き合いは、精神的な消耗が大きいため、意識的に避けるようになったのでしょう。

次に挙げられたのが、「惰性で続く昔の友人グループや同窓関係」です。

ただ過去につながりがあったというだけの理由で無理に合わせて集まるのをやめ、関係を整理している人が多いようです。

さらに、「義理で参加していたイベントや集まり」が続いています。

そして、「気を使うだけのご近所付き合い」や「職場の飲み会や残業付き合い」も減らした付き合いとして挙げられました。

その他、「SNS上だけの繋がり」や「お付き合いで入ったグループLINE」といった、デジタルな人間関係もスリム化の対象になっています。

今の40代女性が「本当に大切にしたい・深めたい」人間関係とは

不要な関係を整理した結果、40代女性が「もっと深めたい、大切にしたい」と回答したものは何でしょうか?

アンケートの中で、圧倒的1位となったのは「家族やパートナーとの時間」で、実に60%もの人が回答しています。

最も身近であり、自分らしくいられる大切な存在と過ごす時間を増やしたい、あるいは増えてきたと感じている人が多いのです。

次に多かったのが、「数は少なくても本音で話せる親友」との関係です。

そして3番目にランクインしたのが「1人の時間」でした。

あえて誰とも過ごさない時間を意図的に確保し、心身をしっかりと休めることを重要視していることが窺えます。

これに続いて、「適度な距離を保てる緩い繋がり」や、「昔からの気のおけない友人との付き合い」が挙げられています。

なぜ40代になると人間関係がスリム化するのか?【心理カウンセラーの分析】

心理カウンセラーの立場から、40代女性の人間関係が「広く浅く」から「狭く深く」へとシフトしていく背景を分析すると、3つの大きな理由があります。

1つ目は、「ライフステージの変化」です。

結婚し、子供が生まれると、子育ての過程で新たな大人同士の付き合いが生まれます。

しかし、子供が成長し自立に向かうにつれて、子供を通した大人同士の義務的な付き合いはだんだんと減っていきます。

その結果、子供が手を離れてからも付き合える「本当に仲の良い親同士」だけが残り、関係が洗練されていくのです。

2つ目は、「人生経験を積むことによる『目』の肥え」です。

これまでに様々な経験をしてきたことで、物事や人を深く見る力、深く理解する力が身についてきます。

自分が本当に大切にすべきものが自然と絞り込めるようになるため、昔のように無理をして人間関係を広げる必要がなくなるのです。

3つ目は、「体力や気力、エネルギーの減少」です。

若い頃と比べて、気力や体力、使えるエネルギーは少しずつ低下していくのが自然な流れです。

そのため、多くの人と広く付き合おうとすると、どうしても体力的にも精神的にも疲れてしまいます。

人間関係をスリムにすることは、自分自身のエネルギーを守るための、非常に理にかなった防衛策でもあるのです。

もちろんこれらには例外もあり、個人の好き嫌いや社会的地位によって、年齢を重ねるほど付き合いが広がる人も中には存在します。

しかし、一般的な傾向として人間関係が絞られていくのは、ごく自然な成り行きと言えるでしょう。

人それぞれの価値観と人間関係

この「人間関係の主軸が広さから深さへ、量から質へ」とシフトすることは、ごく自然なことです。

ちなみに現在59歳である私の場合は変わっていて、昔から広く浅い人付き合いは得意ではなく、人付き合いのある相手は若い頃からずっと少ないままです。

1人で過ごす時間も好みますが、人生における位置づけとして、仕事よりも「家族と過ごす時間」を一番大切にしています。

家族を守るために仕事を頑張ってきましたし、今のようなカウンセラーの仕事を選んだのもそのためです。

もちろん、状況やタイミングによって優先順位が一時的に変わることはありますが、人生を通した位置づけとしては、仕事より家族の方が大切です。

友達付き合いなどの「お付き合い」はほとんどなく、家族を通した人間関係が中心ですが、非常に穏やかで心地よい毎日を過ごしています。

アンケートの対象となった40代は、年齢とともにものの見方や捉え方が成熟していく時期です。

これに伴って人間関係に変化が起きるのも、ごく当たり前で自然な成り行きです。

無理に周囲に合わせず、自分が本当に心地よいと思える関係を最優先にしていく人が増えていくのでしょう。

【結論】

40代女性の人間関係は、広く浅い関係から「狭く深く、心地よい関係」へと自然にシフトしていきます。

人生の経験値が増し、人を見る眼が養われ、またライフステージの変化で多くの人間関係を必要としなくなる。

そうした背景から自分にとって本当に必要な人や時間を大切にする傾向へを変化するようです。

ミッドライフ(ミドルエイジ)クライシス(中高年の危機)の入り口と言われる40代。

だからこそ、こうした人生観の変化も自ずと出てくるのでしょう。

自分に無理のない人間関係にしていくことで、精神の充実やライフバランスを取っていくのも良いと思います。

【記事まとめQ&A】

Q1. 40代女性が人間関係において「量より質」を重視するようになる、具体的なアンケート結果を教えてください。

A1. 2026年6月にGLAMが実施した約300人の40代女性を対象とした調査では、半分以上の人が若い頃に比べて「人付き合いが変わった」と答えました。

その中で、「付き合いの量より心地よさや気が合うかを優先する(量より質)」と答えた人が43%で最も多く、「広く浅くより少数の大切な人を選ぶようになった」が28%で続きました。

Q2. 40代女性が「意識的に距離を置いた」付き合いと、逆に「大切にしたい」と回答したものは何ですか?

A2. 距離を置いた付き合いとしては、マウントや噂話が多い関係が最も多い。

続いて惰性で続く古い友人関係や同窓会、義理のイベント、気を使うご近所付き合い、職場の飲み会、SNS上のつながりなどが挙げられています。

一方で、大切にしたい関係としては、「家族やパートナーとの時間」が60%で最多となり、次いで「本音で話せる親友」、そして「1人の時間」が挙げられています。

Q3. 心理カウンセラーは、なぜ40代になると人間関係がスリム化する傾向があると考えていますか?

A3. 主に3つの要因を挙げています。

1つ目は、子供の自立に伴い、子供を介した付き合いが減少するなどのライフステージの変化です。

2つ目は、人生経験を積んだことで人や物事を見極める目が肥え、大切にすべきものを絞り込めるようになるためです。

3つ目は、体力や気力、エネルギーが徐々に減少することで、広い人間関係を維持すると疲れてしまうため、スリム化を望むようになるためです。

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心理カウンセラー鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

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