「愛されなかった娘」が幸せになるための確かな道筋

なぜ大人になっても「母親に振り回される」のか?

今回取り上げるテーマは、「母親に愛されなかった娘の幸せ」です。

実は、このテーマについて過去に書いたブログ記事は、執筆から10年以上が経過した今もなお、毎日アクセスが多いという現状があります。

このアクセスの多さは、「自分の幸せを喜んでくれないお母さん」や「自分のことを愛してくれないお母さん」との関係に苦しんでいる女性が、非常に多いことを示しています。

実際に、カウンセリングには20代から50代の女性まで、幅広い年齢層の方が、愛されなかった過去の傷(時には母親が亡くなった後も)によって苦しんでいるという相談が寄せられています。

なぜ、母親は我が子の幸せを喜ぶことができないのでしょうか。そして、その母親の元に生まれた娘はどうすれば幸せになれるのでしょうか。


【筆者プロフィール】
心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。コーチとしても様々な目標達成に携わる。
著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」は台湾でも出版された。
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なぜ母親は娘の幸せに嫉妬し、それを壊そうとするのか?

我が子の幸せを喜べず、嫉妬し、時にはその幸せを潰そうとする行為の根底には、母親自身の深刻な問題が潜んでいます。

根本的な原因は「母親自身が幸せではない」こと

娘の幸せに嫉妬する理由として、最も早い話は、母親であるその人が幸せではないという点にあります。

母親自身が満たされていないため、娘が楽しそうに、嬉しそうにしている姿が「ねたましい」と感じられます。

その結果、非常に未熟な話ではありますが、娘の幸せを潰しにかかってしまうのです。

母親のパーソナリティの未熟さが子供を愛せない原因

娘の幸せを喜べないという状況は、その母親のパーソナリティが未熟であることを示唆しています。

親になったからといって、成熟したパーソナリティを持つ人ばかりではありません。

むしろ、カウンセリングや教育現場での経験を通じて、親らしいパーソナリティが確立されている人の割合は少ない、という実感が伴います。

人を愛する、人を大切にするといった行為は、人間性がそれなりに成熟していなければできないことです。

人間性が未成熟で未熟な状態では、残念ながら子供をきちんと愛することができません

未熟な母親の「成熟」を期待するのは非常に困難である

自分の人間性をより良いものにするためには、努力、工夫、知恵などを総動員して日々生きていくことが、自身を幸せにする上でも、人を幸せにする上でも最も確かな生き方であるとされています。

しかし、パーソナリティが未熟な母親が、自ら人間性を成熟させ、娘を心から愛せるようになる確率は、残念ながら非常に低いのが現実です。

不可能なことではありませんが、よほどのきっかけや出会いがなければ、その変容は非常に困難です。

なぜなら、未成熟な母親は、成熟した人との出会いに価値を感じる視野が持てず、未成熟な人同士とばかり繋がってしまう傾向があるからです。

結果として、未成熟なことを学習し続けるため、本当の意味で娘の幸せを喜び、愛情を持って育てることはできずじまいになってしまうのです。

「愛されなかった娘」が幸せを掴むために専念すべきこと

未成熟な母親の元に生まれた娘(女性)は、ある年齢から、自ら自分を成熟させるという生き方にシフトさせることが極めて重要になります。

自分自身のパーソナリティを自力で築き上げる

未成熟な母親に頼っても「百害あって一利なし」です。

娘は、母親に頼るのではなく、自分で自分を育てる(自己教育)必要があります。

人間性の成熟とは何かを学習し、心ある人たちがどのような特徴を持ち、どのように物事を見て、どういう選択をして生きているのかを研究することが求められます。

様々な工夫や努力の積み重ねによって、自分のパーソナリティを自分で築き上げていくことは十分に可能です。

母親を変えようとする努力にエネルギーを注がない

親が未熟なままであっても、娘が自らを成熟させることができれば、十分幸せになることができます。

親に恵まれなかったから自分も一生恵まれない、と思い込んでしまう人がいますが、決してそんなことはありません。

親を変えようとすること、具体的には「親に認めさせよう」「親に愛してもらおう」「親に理解してもらおう」とする努力は、自分自身の人間性を高め、人生を幸せにする努力よりもはるかに少ない労力で実現できます。

親から与えられなかった愛や成熟した経験は、他(成熟した人や経験)から自分自身で獲得していけば良いのです。

母親よりも「大人」になり呪縛から解放される

ぜひ、労力とエネルギーを「自分を成熟させる」ことに注いでください。

自分が母親よりも大人になり、人間性が成熟していくことによって、母親の呪縛から解放されます。

自分の人間性が成熟することで、母親との向き合い方もまた違った角度から捉えられるようになるでしょう。

求めるのではなく、母親よりも大人になること。大人としての目で親を見ることができれば、たとえ親が未熟であっても、あなたは幸せな人生の選択を掴むことができるのです。

まずは自分自身の成熟に専念し、その上で周囲に目を向けるようにしましょう。

大人になっても「母親」に苦しめられる女性たちの実態

娘と母親の関係性に悩むのは、決して未成年者だけではありません。

カウンセリングに来られるのは、すでに社会人として働いていたり、結婚していたり、お子さんがいるような年齢になった女性たちです。

それにもかかわらず、「母親との関係性」によってずっと悩み、苦しみ、人生を振り回されていると感じています。

この苦しみの最も厄介な点は、自分の感情が乱されることです。

母親は、娘をグラグラとさせるようなこと、あるいはいちいち尺に障るような言動をしてきます。

娘が母親の行動を指摘したとしても、母親は「そんな意識はない」という顔でかわしてしまうケースがあります。

さらには、「あんたのことを心配して言っているだけだよ」と主張し、「なんでそんなこと言うの?」と娘の苛立ちを軽くあしらう母親もいます。

このような対応をされると、娘の立場としては、言った自分がバカみたいだと感じたり、「一体いつまでこんな風に母親に振り回されなければいけないのか」という葛藤の連続に陥ります。

母親の呪縛から「卒業」するための根本的な解決策

では、この厄介な問題にどう対処し、乗り切っていけばいいのでしょうか。

結論として、母親との関係性から卒業するための最も根本的で確実な解決方法は以下の2点です。

1. 自分が母親以上に成熟し、しっかりした大人になっていく。
2. 母親に何も期待しない。

この二つは密接に関連しており、自分自身が人として成長し、大人になることが、この問題から卒業するための「一番確かで話が早い解決法」です。

なぜ「母親に期待しない」ことが解放につながるのか?

私たちが母親に対して苛立ちを感じるのは、突き詰めれば「何かを期待しているから」です。

「母親らしく振る舞ってほしい」「母親なら自分にもっとこう言うべきだろう」という期待や捉え方があると、苦しくなります。

なぜなら、現実は全く逆だからです。

現実が期待と真逆であるため、「なんでこんな現実なんだ」と、さらにストレスや感情の乱れが生じてしまうのです。

成熟した大人は「人に期待しない」

人間は、大人になればなるほど、人に対して何かをして欲しいという気持ちが少なくなる傾向があります。

成熟した大人とは、自分で自分を満たすことができるため、人に対してその部分での期待をしなくなるからです。

母親に対しても当然、期待をしなくなります。

親に対して「愛がない」「お互いを思う気持ちを持てない人間だ」「親だけれども子供だ」「全然成熟できなかったんだ」と冷静に捉え、何も期待しないということが重要です。

親の介護問題など、血縁上のつながりへの向き合い方

たとえ母親に期待しなくなり、大人になったとしても、親子には戸籍上も血縁的にもつながりがあるのは間違いありません。

将来、親が年老いた際に介護の問題が出てくる可能性があります。

そのような問題に直面した場合でも、母親のことを「親」と思わなくて全く構いません。

重要なのは、「娘として」ではなく、人として対応するということです。

• 人として見捨てないで、最低限やるべきことをやる。
• クールに介護をする、クールに看病をする、クールにケアをする。

感情的にぶち切れそうになったり、複雑な思いが出ることは人間として当然あります。

しかし、その感情にずっと囚われていると、自分の人生が損をしてしまいます。
自分の人生を無駄にしないためにも、そこはクールに捉えることが大切です。

自分のプライドを拠り所にして、「一人の人間として最低限のことはやっておこう」という姿勢で向き合っていくのが、最もソフトランディングな生き方となります。

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心理カウンセラー鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
コーチとしても様々な目標達成に携わる。
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