親子関係の悩みは自分の親にしても子供にしても、自分の人間的な成長が必要だと自覚することが解決の近道です。
親だから子どもだからと相手に何かを求めすぎると、それは依存。
親は子育てを通して子どもの成長のために学び、子は親を模範としたり反面教師としたりして自分の成長のために学びます。
その結果、親子関係の悩みは実り多い経験に変わります。
具体的にどうすれば良いのかを以下にわかりやすくお伝えします。
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親子関係の心理的影響
カウンセリングでは「親子」がテーマのご相談も多くあります。
中でも次の3つの相談が目立ちます。
先ず一つ目は子育てに悩むお母さんです。
子どもに感情的になってイライラしてしまう。
これは乳幼児期から思春期のお子さんをお持ちのお母さんに多いご相談。
もう一つは不登校です。
これは中学生の親御さんからの相談が非常に多いですね。
思春期はそれまでの子どもの心の問題が顕在化したり、学校の人間関係が複雑になったりという要因が多いです。
そして3つめは成人女性が母親との関係に悩むケースです。
大人になって子どもの頃の母子関係の影響と葛藤するわけです。
子育てということでいえば、特に子供の年齢が小さい場合。
その時の経験というのは非常に大きな影響が残ります。
良い意味でも、悪い意味でもインパクトが大きいんです。
子育てで忘れてほしくないことは、子どもはその年齢だから獲得できることがあるということ。
人や自分に対する信頼感は2歳までの経験が大きい。
自己コントロールの力は4歳まで、主体性や積極性は7歳まで。
そんな風にその年齢で骨格が出来上がるテーマがあるんです。
そして、獲得しそこなうとそれを後で取り戻すのは、当然困難に直面し、多大なる労力が必要になります。
場合によっては取り戻せない場合も。
私は個人的にお母さんやお父さんになる人は、子育ての基本をきちんと勉強してほしいと思っています。
その年齢で獲得できる骨組みがあって、それがその子の人格を決める。
そういう大事なことを知っておいて欲しいからです。
子育てで大切なことは、私たち親が子どもによって鍛えられていくということ。
子どもから学び、親自身が人間的に成長していくということ。
親業というのはそうした取り組みだと思うことです。
そして、子どもから学ぶという経験は、実はとても実り豊かな経験だということ。
それを経験しながら実感していくことですね。
命を育てるというのはそれほどに重く、そして素晴らしい意味を持ちます。
二つ目の不登校ですが、原因は3つあります。
学校生活の問題、家庭の問題、そして本人の発達課題。
学校に問題があれば、その問題が解決するか、転校して問題のない生活が送れれば解決します。
しかし、家庭、親子関係に問題があるのなら、親自身の人間性の変化が必要です。
親子関係の問題であれば、親が変われば子どもも変ります。
そして親の成長とともに子どもは再登校します。
最後に成人女性からのご相談で多いのが母親との関係。
幼いころから自分に否定的に接してこられたことへの心理的影響ですね。
それで自分に自信がもてなかったり、アイデンティティーが揺らいでいたり。
そのために結婚しても上手くいかなかったり、仕事も転職を繰り返したりして苦労をします。
母親の影響でそもそも結婚に否定的な方もいますし、心理的な問題が深いと摂食障害に陥ることも。
母親の性格を変えることは難しいので、子どもである相談者(女性)が精神的に自立していくこと。
これがカウンセリングのテーマになっていきますね。
親子の問題を観ていると、思うことがあります。
親は子からいかに学べるか?
学んだ親は人間として成熟していき、子どもとの関係も良くなります。
また、子供は親からいかに学べるか?
この場合は反面教師も含みます。
模範にできる親ならそのまま踏襲できますし、その逆なら反面教師として親とは違う生き方を確立します。
親が人間的に未熟であると思うなら、その分、自分が成熟するというのが人生のテーマの一つです。
人間として成熟すれば、当然幸せな人生を歩めます。
幸せと人間的な成長、成熟は切っても切れない関係だからです。
母との関係に悩む娘
母親と娘の関係に悩む女性のご相談はとても多くあります。
「どうやってここを見つけてくださったんですか?」
私はカウンセリングやセミナーに来てくださった方に、初めによくこの質問をさせて頂きます。
そうすると、ほとんどの方がホームページを観て・・と答えてくれます。
グーグルやヤフーなどで、何か情報を調べていた。
調べているうちに、鈴木のホームページを見つけた。
ホームページの文章を読んで、共感できた。
そこで、予約申し込みをしてくださったり、メールマガジンを読んでから申込んでくださったり・・
そういう方がほとんどでした。
そんな私のホームページは2001年から、実はありました。
そのホームページの中で、10年以上ずっとアクセスが1日100前後あるページがあります。
そのうちの一つが、このページです。
↓ ↓ ↓
娘の幸せに嫉妬する母親の心理
このページはずっとアクセスが多いんですよ。
ということは、この問題で悩んでいる女性がとても多いんだということになります。
先日、NHKでこうしたテーマをドラマ化したものがありました。
斉藤由貴さん、波留さんが、親子役で演じておられたようです。
このドラマ、ものすごい反響があったとか。
どういう反響かというと、番組の公式ページの掲示板に「私も悩んでました」という書き込みが殺到したそうです。
「悩んでいるのは、自分だけじゃなかったと思えた」という書き込みも多く見られました。
こうした悩みを抱える人は、潜在的にたくさんいます。
でも、表立って話したり、友達などに気軽には相談できない悩みです。
だから、結果として一人で抱え込んでしまいがち。
一人で抱えることで、悩みが深まることもありますね。
では、親に恵まれなかったな・・と思うとき、いったいどうやって生きていけばいいのでしょうか?
親の呪縛を断ち切って自立できるか?
選ぶ選択肢は3つです。
一つは、だからこそ自分は自立して、自分の人生を生きるという選択。
もう一つは、親の言いなりになったり、親を責める人生を生きるという選択。
三つめは、親ではなく「だから自分はもうダメだ」と、自分を責めて生きていくという選択です。
先ず、どの選択をするのか?
どの道をあなたが選ぶのか・・ということになります。
そして、いずれかの選択肢を選んだとしたら、選んだ選択の先にある道を歩むことになります。
どの道を歩んでいくのかは、どの道を選ぶのかで決まります。
どういう人生を生きていくのかは、どういう人生を生きることを選ぶのかで決まります。
私としては、やっぱり一つ目の選択肢がおススメです。
そう「だからこそ自分は自立して、自分の人生を生きるという選択」ですね。
ポイントは「親を反面教師にする」ということです。
「親はこうだったから、私はそういう生き方はしない」というものです。
そして、より良い生き方を選び、より良い自分になる生き方を選びます。
この選択をすれば、最終的に自分が一番得します。
ただ、親子というのは、そうそう単純なものではありません。
ただ、親を突き放せばいいというわけでもなく、ただ親と違うことをすればいい
(反発すればいい)というわけでもありません。
反面教師も、そこに余計な感情が入ってしまうと失敗します。
大切なのは、自分の人生は自分で選ぶってことです。
自分がどう生きていきたいのかを、改めて一から、いえ、ゼロから考えましょう。
そのために、必要なことは勉強すればいいし、信頼できる人の力も借りたらいいんです。
精神的に自立する。
まず、そういう道を選びましょう。
その上で、親といかに付き合っていくかを考えます。
適度な距離感を保って付き合うとか、一時的に連絡を絶つとか、いろいろあります。
それは私も、一律にアドバイスできるわけではないんです。
カウンセリングの中で、じっくりと話し合って決まります。
こういう問題と向き合うとき、先ずは一旦「一人で生きていく」という気持ちが必要です。
それは「精神的に自立する」ためには、ぜひとも必要な捉え方です。
しかし、これは「孤独になる」ということとは違います。
言葉でいえば、孤独ではなく「孤高」ですね。
一人ぼっちになるのではなく、一人で生きていくということです。
一人で生きていくというのは、自分の面倒は自分でしっかり見るということです。
自分はこういう人間になろう。
そのために、自分はこう生きていこう。
そういう孤高の精神ですね。
このテーマは、カウンセリングですごくたくさん話し合ってきました。
その結果、母親の呪縛から自分を解き放つ過程で、どうしてもこの「孤高」という意識が必要になります。
母親に何かを求めない、期待しない。
母親ではなく、自分の人生は自分で満たしていく。
はっきりいって、親でも愛情の無い人間はいます。
親だから子どもを愛せるなんて、そんな保証ってどこにもないんです。
愛せる人間は人を愛せるし、愛せない人間は人を愛せない。
人を愛せない人間が親になったからといって、自動的に愛情が製造されるわけじゃないですよね。
愛は動詞だっていう言葉がありますが、「人を真に愛そう」と思って生きている人が、やがて人を真に愛せるようになるんです。
愛も受動的な生き方じゃ、得ることもできないし、人を本当に愛することもできません。
親なんだから子どもを愛せるはずというのは、幻想にすぎないといってもいいんです。
でもね、自立すると、ほんとにいいことがたくさんあります。
人に感謝できる人間になれたり、自立心のある人たちに囲まれたり・・・・
本当にいいことがいろいろ起こるようになります。
そして最終的には、親を反面教師にしたからこそだと気づきます。
カウンセリングを卒業される方は、「あの親のお陰で今の自分になれた」と仰います。
反面教師は、やっぱり「教師だった」ということなんでしょうね。
親子関係の修復は可能か?
以前、続けてあるテレビ番組を観ました。
一つは凶悪犯罪者の息子のドキュメント。
もう一つは冤罪で20年服役した女性のドキュメント。
二人に共通するのは、いずれも自分は直接悪くないのに、社会の厳しい目にさらされたということです。
厳しい人生を強いられ、やっぱり心は荒みます。
人を信じられず、心を閉ざして生きていくことになります。
しかし、番組の中で、それぞれが変化を見せていきます。
閉ざした心が少しずつ開き始め、以前よりも人を信じるようになっていきました。
その過程を観ていて感じたのは、人の心を開くのは「人」なのだということでした。
犯罪者の子どもの心を開いたのは、職場の同僚たちと結婚した奥様の温かさ。
冤罪の女性の心を開いたのは、息子や息子のお嫁さんでした。
人に裏切られ、人に苦しめられた二人が、結局は人に救われていくことになります。
心を閉ざした二人に共通した思いは、「人が信じられない」という思いでした。
それは別の言葉にすると「私のことは、誰も理解できない」というもの。
ということは、理解されることによって、この二人は救いの道を歩き始めることになったのです。
つまり、私たちが何か追い込まれたときも心が救われるのは、自分の理解者が現れた時です。
正確にいうと、こちらが「理解者を得た」と実感できたとき。
カウンセラーはまさに、この「理解者」となる努力をしています。
傾聴や共感的理解に努めるのも、カウンセリングという面接を続けるのもそう。
その目的は、相談者に「理解者を得た」という実感をもってもらうためです。
この「理解者を得た」という実感は私たちに力と勇気を与えてくれます。
私は養成塾の授業の中で「寄り添うには寄り添える力が必要」とお伝えします。
この寄り添う力というのは、別な言葉でいえば、「理解者となる力」ともいえます。
先の二人、犯罪者の子どもと冤罪だった女性。
この二人も「理解者を得た」という実感を持ちました。
そのことで、過酷な人生を生きるという宿命を背負いながらも、顔を上げ、前を向いて生き抜こうと思うようになります。
両方の番組を観終わった後は、正直、いずれも言葉がありませんでした。
しかし、「理解者を得る」ということが、どれほど大切なことかを改めて確認した思いでした。
そして、彼らはこうした経験から、自分がいかに生きるべきかを学んだともいえます。
もし、過酷な試練が学びの宿題だとするならば、やはりそれを解くことでしか前に進めません。
私たちは学ぶことによって人生を前に進みます。
苦しい時こそ、学ぶしかないようです。
そしてカウンセラーはその学びを十分に経験できるようにサポートするのが仕事です。
手を貸し過ぎてはその人は学べないし、手が足りなくても学びきれないでしょう。
適切な距離感で伴走することこそ、クライエントが必要な学びを経験できるからです。
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