一人暮らしの人が一人で生きるとは人と共に生きること

一人暮らしが一人を生きるとは

今や単身世帯は世帯数でトップになった日本。

お一人様の生き方がクローズアップされ、多種多様な生き方、楽しみ方が生まれています。

一人暮らしだったり家族がいなかったり、けれども私たちは人と共に生きています。

一人で自律的に生きていくこととは、人とどう関わって生きていくかを考えることでもあるのです。


【筆者プロフィール】
心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。コーチとしても様々な目標達成に携わる。
著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」は台湾でも出版された。
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ひとり暮らし、一人で生きる

日本では、今や単身世帯の世帯数が一位になりました。

この単身世帯には、例えば次のような世帯が含まれています。

独身者、離婚者、パートナーに先立たれた人など・・・・

要はお一人で住んでいるということですね。

特に日本では「一人」というと、イコール「寂しい」「孤独」とつなげがちです。

だから独身者などに古い世代の人間が「そろそろ・・」などと余計なことを言う場面がいまだに見られます。

そもそも私たちの人生には「一人で生きていく」という捉え方が必要です。

家族を持った人でも、最終的には一人になるかもしれません。

また、様々な意思決定をする際にも、最終的には自分(一人)で決めますしね。

ただ、これは「一人で生きていく」という話ですが決して「一人だけで生きていく」という話ではありません。

一人で生きていくけど人とも生きていく

「一人で生きていく」と「一人だけで生きていく」というのは似ているようで全く違う生き方です。

人は、何らかの形で人と関わっているし、人と何らかの関係性があるわけですからね。

つまり、私たちは「一人で生きていく」部分と誰かとの関係性の中で生きていく部分、その両方を生きています。

だから、一人で生きていく意志と、人とどう関わっていくかという選択と、これらを常に行ったり来たりしているわけです。

単身世帯であっても、誰かとの関係性の中で生きています。

たくさんの人に囲まれていても、一人で考え、一人で決め一人で背負って生きていく部分もあります。

私たちは「一人で」と「誰かと」と、その両方を生きているのです。

「誰か」との関係性の中で生きる

「誰かと」が誰なのかは、人によって違います。

家族や親せきなのか、友人なのか、仕事の人間関係なのか、ご近所さんなのか、あるいはその全ての人たちなのか。

相手や捉え方によって、その関係性も違ってくるし、距離感も違ってきます。

「自分は独りぼっちだ」としか思えない人でも、現実は誰かとの関係性をも生きているんです。
その関係性を無視せざるを得ない生き方は、やはり苦しくなってくるんですね。

人は人と切り離して生きてはいけないので、誰とどんなつながりを生きていくかというテーマもあります。

人と共に生きていくとは

一方で、自分の人生を誰かに決めてもらおうとしたり、自分の不遇を誰かのせいにだけしても、解決しないでしょう。

そこはそういう風に誰かに依存してもしょうがないんですね。

自分がどう生きていくか、決めるのは自分であり決められるのは自分しかいない。

誰かの言う通り生きていくとしても、そう選択したのは自分です。

子供の頃の抗えない時代はともかく、成人したらこの社会は自分のことを自分で決め、決めたことを背負っていく権利を得ます。

ある意味、とても厳しい話だとは思いますが、それが人間社会なので、自分が何をどう選択するかが大事になります。

とはいえ、人間は間違う生き物です。私を含め、皆が選択を間違えたり、失敗もします。

そのせいで、誰かに迷惑や負担をかけるかもしれません。

でも、それはそれで引き受けていくしかないんですね。

これを引き受けていくことで、何かを学び、経験を積み、新たな境地を得る。

挫折や失敗、過ちも人生の一部なので、そこから何を学べるかです。

学んだ人が、次の人生のコマに進んでいけます。

このあたり、基本は自分が一人で生きていく部分ですが、一人で生きていくために誰かの力を借りる必要も出てきます。

ここも誤解がないようにと思うのですが、「誰かに依存する」のと「誰かの力を借りる」のとは、別の話。

自分で何とかしていくという意思決定が根っこにあるからこそ誰かの力を借りることができるのです。

そして、借りたものは返せばいいんです。

返し方はいろいろで、結果を出すとか改めて感謝を伝えるとか、逆にその人に力を貸すとかでもいいわけです。

「いつかはお返ししよう」という気持ちで力を借りればいい。

こうやって私たちは「一人で」と「誰かと」というその両方を生きていくんですね。

そこには「孤独」はなく「依存」もない。

こうして自律とつながりを深く生きていけるとしたら、それはとても幸せなことだと思います。

自分を大切にして生きていくことが私たちの使命

人との関係性を大切にする。

そのためには自分自身を大切にすることが必要になります。

私は、自分を大切にして生きていくことが私たちの使命ではないかと感じることがあります。

使命というのは「与えられた重大な任務」とか「自分に課せられた尊いつとめ」という意味です。

私たちは自分を大切にするという経験学習こそがこの世に生まれてすべきことではないか。

そんな風に思うことがよくあります。

自分を大切にするというのは、自分のことばかり考えることではありません。

自分のことだけ考えると、人に嫌な思いをさせます。

自分のエゴを押し通そうとする人は、周囲を不幸にします。

本当の意味で自分を大切にするためには周りの人たちも大切にする必要があります。

もちろん、自分に嫌がらせや理不尽なことを強いる人に対してはそれなりの対処をして自分を守ってください。

でも、そういう人を除いてみたときに、基本は自分も人も大切にすると幸せになれます。

「人として」生きてくことの大切さ

助けてくれた人には感謝を伝える。

支えてくれた人には、こちらもその人を支えていく。

人には配慮した言葉、優しい言葉、思いやりのある言葉をかける。

他にもいろいろありますが、人を大切にするにはそうした行為が必要になります。

そして、自分を大切にするということは、こうした行為を自分自身にもするということです。

自分にも感謝し、自分を支え、自分に対し配慮ある優しい思いやりのある言葉をかけ続けていきます。

人や物事を大切にするには、それ相応の「理性」が必要です。

感情的にならず、状況を正確に把握し、道理にあった判断と言動を選ぶ。

ちなみに「道理」には「人として行うべき正しい道」という意味もあります。

今の世の中、いろいろ悲しいことが多い。

理不尽な出来事もあちこちで起きている。

だからこそ「人として」という発想が大事になってきます。

理性を働かせて生きる

例えば自分の親が嫌い、許せない。

でも、年老いて介護が必要になってきたという場合です。

そんな時は子どもとして、家族としてではなく「人として」介護に携わるという捉え方もあります。

愛情はないし、家族として大切にも思えない。

でも、人として「その人」の介護をする。

私はそういう捉え方もありだと思います。

話しがすこし逸れましたが、自分を大切にするにも理性が要ります。

人として自分を大切にすることで、周囲にも心ある接し方ができます。

自分を大切にさえできれば、幸せは後からついてきます。

人や物事、そして「自分を大切にする理性」を重視してみましょう。

私たちはもともと、感情的になりやすく、エゴに振り回される性(さが)があります。

だからこそ、意識して「理性」をもって自分や人、そして物事を大切にする生き方が必要になります。

自分を大切にするにも、理性が必要になります。

そうした理性が自分の人生にバランスをもたらしてくれます。

感情に押し流されそうになった時に、理性がつなぎとめてくれるからです。

愛も理性がなければ生まれないものです。

人との絆、支えあい、あきらめない気持ちも理性があってこそです。

その理性が、自分を大切にする生き方には必要です。

「何のために生きるのか」の答え

「何のために生まれてきたのか?」「生きることの意味は何か?」という問い。

それらの答えの一つを、私は「自分を大切に生きるため」だと思っています。

なぜなら、自分を大切にすることで、計り知れない恩恵を受けられるからです。

ただ、自分を大切にするためには知恵と工夫が必要になるんです。

ただ漫然と過ごすだけでは、自分を大切にはできない。

その時々の出来事に「反応的になる」だけでもダメです。

自分が経験したことを「理性」のフィルターを通して捉え、落ち着いて考えて(判断して)どうするかを選ぶ。

その理性を磨くために、人生にはいろいろな困難が待っている。

困難で人間が鍛えられるとは、そういうことでしょう。

つまり、それが私たちの使命「自分に課せられた尊いつとめ」ではないでしょうか。

こちらの記事も参考にしてください↓

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心理カウンセラー鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
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