立ち直る方法、ありのままの自分でいいの?

「ありのままの自分」という言葉、皆さんはどう思いますか?

この「ありのまま」という言葉、意外に賛否がわかれるし、好き嫌いもわかれるんですよね。

それはこの「ありのまま」の捉え方が違うからです。

今回はこの「ありのまま」を果たしてどう捉えたらいいのか?

本当にありのままで立ち直れたり、自分を変えることができるのかについてお答えします。

ありのままの自分でいいのか?

以前「アナと雪の女王」という映画の主題歌「Let It Go~ありのままで~」という歌がヒットしました。

そこでこの「ありのまま」という表現が賛否を呼びました。

賛否というのは「ありのままでいいのか、悪いのか」といったことです。

我々心理の世界でも、この「ありのまま」という表現を使うことがあります。

ではこの「ありのまま」という表現は、心理の世界ではどういうニュアンスで使われるのでしょうか。

ありのまま否定派は、こう言います。

自分を変える努力もせず、自分を高めようともせず、今の自分に甘んじる。

そんな免罪符のように「ありのままを」と言うのは良くない。

「ありのままでいい」と言って怠惰に過ごすな・・というわけです。

確かに自分を変えなければならない状況が起きた時に「それでもありのままでいいんだ」と言うのでは、少々虫が良すぎるでしょう。

ですから、私たち心理の世界でこの言葉を使う場合、ちょっとニュアンスが違います。

本当のありのままは厳しい

私たちが言うありのままでいいというのは「自分を否定するのはやめる」という意味です。

自分を否定するのではなく、 今の自分をそのまま認識すること。

良いところも、改めるところも、好きなところも嫌いなところも、まずはそのまま認識する。

自分にはこういうところがあるんだな・・・という感じですね。

そうやって自分自身を正確に理解した上で、これからどうするかを考える。

今直面している問題を解決するために、あるいはよりよく生きるために、自分をどのように変えて行けば良いのかを考える。

そのためにまずは自分自身を正確に見積ろう・・というのが、ありのままを認め、 受け入れるということです。

ですから、 私たちカウンセラーなどが言う「ありのままでいい」のニュアンスは、実は意外に厳しいニュアンスになるんです。

なぜなら、 別の言葉で言えばそれは「現実を見ろ」と同じことだからです。

先ずは自分の現実に目を向けることこそ肝要なのだ。

そういうニュアンスで言っていることだからです。

現実を受け容れることで立ち直ることができる

例えば、自分がこうありたいと思う状態とはかけ離れた状態にある。

自分で思っていたよりも、 自分には能力がない。

自分ではそんなつもりじゃなかったけど、人に意地悪な態度を取ってきた。

たとえばこんな現実があるのであれば、それをそのまま認める、受け入れるということです。

こうした事実を受け入れるのは簡単なことではありません。

時には受け入れがたい、信じがたい、ありえないといった抵抗が起きることもあります。

しかし、現状を正確に受け入れることなくして先へ進めないこともまた事実。

ならば、潔く現実を受け入れ、そこからスタートを切るしかありません。

でも、スタートを切ってしまえば、先が見えてきます。

後から振り返れば、 あの時、勇気をもって現実を受け入れてよかったと思えます。

「案ずるより産むが易し」ということになるんですね。

前に進むためには、時には勇気がいることもあります。

でも、 その勇気が道を切り開いてくれることも多いのです。

そういう意味では、 カウンセリングはその勇気を得るために、優しく背中を押される場所になることもあるのです。

立ち直るために大事なありのままの自分とは?

カウンセリングで苦しみや絶望から立ち直る時、とても大事になってくることがあります。

誰もが立ち直る上で必要なことと言ってもいいかもしれません。

では、その必要なこととは何でしょう?

それは自分の「正直な気持ち」です。

自分が今、どんな気持ちなのか?

どのような思いや感情があるのか?

先ずそこに気がつくことなんですね。

裏を返せば、多くの人たちが、意外と自分の正直な気持ちが何か、気がついていないのだということです。

「こうしなければならない」「こうあるべきだ」に囚われていて、自分の本当の気持ちが置き去りになりがちなんです。

特にストレスを抱えていた李、精神的に参っていて余裕のない時ほど、自分の正直な気持ちが置き去りになります。

世間体やう呑みにしている常識にしがみつき、自分が本当はどうしたいのかがわからなくなる。

正直な気持ちが疎かになっていて、「本当はこうしたいんだ」「本当は嫌なんだ」という心の叫びを押さえつける。

その結果、生きづらさを覚えながら、必死に生きているという人が、カウンセリングには本当にたくさん訪れます。

先ず、カウンセリングによって自分の正直な気持ちに気がつきます。

次に、その自分の正直な気持ちをご自身で尊重できるようになります。

自分に正直になることとわがままとは違う

ここで多くの人たちが、こんな疑問を持つようです。

「それって、わがままなんじゃないの?」

ところが、これが実は大きな誤解なんです。

なぜなら「自分の気持ちを尊重する」ということは、他人の気持ちに配慮せずに自己中心的に振る舞うこととは違うからです。

また、他人に配慮を働かせることは「自分の気持ちをとにかく押さえつけること」とも違います。

これらを混同して悩み、苦しんでる人が実に多いのです。

例えば「人を許すこと」は大切かもしれません。

でもそれは、許せないという自分の正直な気持ちにウソをついてまで許そうとすることではありません。

許せないことよりも「自分の気持ちにウソをつくこと」の方が、私は不幸なことだと思います。

許せないという気持ちが本当の偽らざる気持ちなら、許せないままでもいいんです。

しばらくの間は許せないままで生きていこう。

そのくらいでも十分に幸せに生きていけるようになります。

それに、許せないという正直な気持ちを尊重していくからこそ、視野が広がり、人生観も深まり、許すことより大切なものも見えてきます。

つまりは自分の本当の(大切な)気持ちにウソをつかないということです。

人生、そこから再スタートが切れるんです。

自分の中にウソがないことが立ち直りには必須

誰でも否定的な気持ちや感情を抱く自分のことを嫌だなと思うものです。

それこそ、そんな自分を許せないという想いも出てくるでしょう。

特にそれが怒り、嫉妬、憎しみなどであればなおさらです。

でも、それでも、そうした気持ちが自分の中にあることを正確に認識すること。

それが立ち直りには必要不可欠になります。

そして、こうした否定的な気持ちや感情を一旦認めてしまうと、かえって気持ちは楽になるものなのです。

こうして真実を知ること、そして気持ちが楽になることによる精神的な余裕が視野を広げてくれます。

このプロセスが立ち直りをより確かなものにしてくれるわけです。

先ずは、自分にウソをつかない。

立ち直りのスタートは、やっぱりそこからなんです。

【動画】自分を変えるために一番必要なこと

最後に立ち直るためには今の自分をどう変えられるかがカギですが、そのために一番必要なことを短い動画で解説しました。

立ち直るために多くの人が見落としている大事なお話ですので、ご覧ください。

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心理カウンセラー鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
コーチとしても様々な目標達成に携わる。
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