意地悪の心理学、そのつき合い方と対処法


意地悪な人を引き寄せないコツは、自分の心の内のあり方と、コミュニケーションのあり方にあります。
この2つが変われば、意地悪な人を引き寄せない確率が、グンと上がりますので、そこのあたりを以下にわかりやすく解説させて頂きます。

意地悪な人とはこんな人

・自己中心的で自分のペースに周りを振り回す
・意地悪だったり、横暴だったり、いじめをしたりする
・平気でうそをつく、嫌味を言う。
・理由もわからず、すぐに不機嫌になる
・すぐに感情的になり、筋道立てた話し合いを受け容れない。
・とにかく自分の都合の悪い話を聞こうとしない。

ここではこうしたタイプの人たちを「意地悪な人」とさせて頂きます。

私は意地悪な人、引き寄せてる?

カウンセリングでは、パワハラやモラハラなどのハラスメントのご相談や、いじめに関するご相談を受けることがあります。
こうしたご相談は結構多いのですが、相談を受ける中でよく、ご相談者からこんな質問を受けることがあるんです。

「もしかして、私がこういう意地悪な人たちを引き寄せちゃってるんでしょうか?」

間違ってほしくないのは、だから自分がダメなんだとか、自分が全て悪いんだとか、そんな風に捉えないで頂きたいのです。
意地悪についてはこれはもう意地悪をする側の人間の問題であり、意地悪というものが問題行動なんです。
ですから、対応を考える上では、相手の問題性と問題行動にしっかりとフォーカスしていく必要もあるわけです。
この問題とは別に、引き寄せてしまうとか、自分が何かそうした問題ある人を刺激する言動や態度を無意識にしている部分はあるんでしょうか?
という質問であるならば、そういうケースは「あります」という回答になるんです。
繰り返しますが、だから自分はダメなんだとか、ということは自分が悪いんだというような捉え方は、感情的な捉え方で適切ではありません。
問題の一つ一つをきちんと切り分けて分析していくことが、こうした問題を解決していく時には大切ですので、引き寄せるということについて次に解説してみます。
実は、そうした引き寄せる要素というものを考えると見えてくるんです。

意地悪な人を引き寄せる要素って?

では、意地悪な人を引き寄せる「要素」というものがあるとしたら、それはどんなものなのでしょうか?
本当にこれは誤解して頂きたくないんですが、巷で時々言われる「いじめられる側にも問題がある」という捉え方は、私は絶対に間違っていると思います。
いじめはいじめる側の問題であり、いじめという行為は完全否定されるべき問題行動です。
ただ、対人関係のメカニズムとして、いじめという問題行動を起こす人の心理状態を刺激する言動や態度というものは、細かく見ていくと確かにあります。
ですから、そうした要素を見直すことで、嫌な思いをすることを防止できるのであれば、私はそれを知って実践することは有効であると考えています。
現に、カウンセリングの中で「私が引き寄せてる部分もあるような気がする」とおっしゃった方とは、そこをいろいろな角度から二人で検証し、成果が見られました。
セミナーでは、その検証&成果を具体的にお伝えします。
その要素は、会話のやり取りだけでなく、内面的な要素も入ってきますね。
その内面的な要素は、実は人間関係全般に重要な要素になってきます。

人間関係が良くなる要素、悪くなる要素

意地悪な人に対して・・というだけでなく、この引き寄せるとか引き合うといった要素は、人間関係のあらゆる場面で働いています。
心理学的にみても、これは説明ができます。
(数値化は出来ない分、定量的にではなく、定性的な説明になりますが)
カウンセリング研修などでも、その成否を分ける大きな要素として「言葉」を取り上げています。
この言葉というのは、たった一言で人間関係を変えてしまうほどの威力、影響力を有しています。
カウンセリングの流れも、たった一言の違いで大きく変わってしまうほどです。
別な言い方をすれば、カウンセリングの成否はたった一言で変わる。
たった一つの言葉や表現によって、カウンセリングの成否は左右されてくるといっても、全く大げさではありません。
だからカウンセラー向けの研修やトレーイングでは、カウンセラーの言葉の捉え方や選び方について、一言半句のレベルで徹底的な訓練をしています。
さらには、人と人とが交わすものというのは、言葉だけではありません。
言葉の背後にある思い、感情、捉え方、意図が、その言葉と一緒に伝わったり、話し方の態度(声、姿勢、表情、呼吸etc)も影響を及ぼします。
それぞれの要素が強く影響することで、つまりそこに悪意や意地悪な気持ちが働くことで、それを受ける側(言われる側、される側)は、心が徐々に破壊されてしまいます。

我慢し続けると心が破壊されてしまう

こうしたご相談で相談に来られる方の多くが、意地悪を我慢し続けています。 
そして、意地悪を理不尽に我慢し続けるというのは、私たちには大変なストレスであり、ものすごく負担になることです。
理不尽さにただ耐えていると、私たちの心は破壊されていくといってもいいでしょう。
それだけ人の意地悪にはとてつもない嫌な力が宿っているといえます。

意地悪にこもっているパワーは強力

しかも、意地悪をする人というのは、悪い意味で強い影響力をもっています。
たった一人、こういう人がいることで、職場全体が大きな影響を受けます。
モンスターペアレンツと呼ばれる人も同様です。
30人の保護者がいても、その中でたった一人でもこうした人がいると、全体がかき乱され、たった一人のために学校のルールが追加されたり変わったりするほどです。
そう、意地悪な人は、パワーが非常に強力なのです。 

うつやメンタルダウンを起こします

だから、意地悪や嫌がらせを受け続けると、こうした強いパワーを浴び続けるので、精神的なダメージは、周囲の人が思っている以上で、当事者は心底、参ってしまいます。
結果としてうつやメンタルダウンを起こします。
精神的ダメージがここまでいくと、立ち直りや回復にはかなりの時間を要したり、場合によっては完全に回復しないケースも出ています。
職場のパワハラやいじめは、早急な対応が求められる所以です。 

意地悪をやめさせたいが・・・

そこで、その意地悪をやめさせようといろいろ試みますが、これがなかなかやめない、おさまらないケースが多い。
逆にエスカレートしていくケースも珍しくなく、ストレートな働きかけが逆効果になるようです。
なぜそうなるのでしょうか?
それは、こうした意地悪をし続ける人には、正義や正論、理屈が通用しないことが多いからです。
では、せめて意地悪がどんなにじぶにゃ周りに迷惑になっているかを伝えたい、わからせたいところなのですが、これも徒労に終わることが多いようです。 

迷惑だとわからせたいが・・・

意地悪をし続けることが、こちらや周りにどれだけ迷惑なことか。
そのことを「わからせたい」と思うのも無理のないことです。
ところが、意地悪な人というのは、こうした理屈や話が本当に通じません。
意地悪な人は、いろいろな理由やいきさつによって、心の中が怒りでいっぱいです。
ですから、人の忠告を受け容れるような状態にないため、どんなに説得をしても話が入っていかなかったり、絶対に受け入れようとしなかったりすることが多いのです。
 

正論が通じない

つまり、正論がまったく通じないわけです。
ですから、意地悪をし続ける人、いじめを行う人には、話し合いによる根本解決は難しいことが多いんですね。
ある意味、人間には「正しいというだけでは心が動かない」というところがあります。
意地悪をし続け、やめない子どもも、正論によっていくら諭しても、意地悪やいじめはおさまりませんよね。
それはいじめという問題行動を起こす心の問題を抱えているからです。
その場合、その子の心の問題を解決するために出来ることをやるわけですが、大人となるとこれが子どものようにはいかないのです。
特に、そうした心の問題を長年にわたって解決されずに抱えてきているとすれば、その人の中での問題解決が難しいのは、なおさらです。
では、相手に直接働きかけるのも向こうな場合、どうすればいいのでしょうか?
周りに助けを求めたり、理解を求めることも必要な場合がありますが、これもケースによっては簡単ではないことがあるんです。 

周囲も面倒なので関わりたくない

意地悪やいじめを受ける人が追い込まれる要因の一つ。
それは、周囲も助けてくれないケースが多いことです。
面倒なことにかかわりたくない。
もっというと、自分が次のターゲットにされたくないという心理です。
実はここも正論が通用しないところです。
学校のいじめ問題でも、クラスで傍観したり、見て見ぬふりをしている子供たちの心理も同じです。
自分がいつ、次のターゲットになるかという恐れが、傍観や見て見ぬふりという行為につながっていきます。
学校のいじめ問題では、こうした子たちとも関わって(寄り添って)きましたが、大人の世界はなかなかこうした介入が難しいのが現状。
被害を受けている人が孤立していくという、実に悲しい、やりきれない現状が往々にしてみられます。 
では、こうした状況から抜け出すには、どうすればいいのでしょうか?

解決策は引き寄せないコツを知ること

大人の場合、意地悪を続ける人間に直接働きかけることで解決するケースは多くはないものです。
特に被害を受けている人がそうすることで解決することは少ないでしょう。
もちろん、働いかけ方などを考え、アプローチの方法をカウンセリングでは考えていきます。
でも、実際はそうしたことで改善や解決するケースは少なく、転職や転校を選び、再出発する方が賢明なケースも多いのが実情です。
これは泣き寝入りという捉え方でなく、理性的にきちんと検討・判断し、未来に向けての英断を行うと私は捉えていますし、現にそのように話し合って進めていきます。
これに加え、一見消極的に思えるかもしれませんが、自分の心の在り方、態度、言動を変えていくという取り組みも行います。
意地悪な人は、何らかの心の刺激を受けて、意地悪をすることがあります。
それは全く理不尽な話であり、やられる方はたまったものではありません。
ですが、心理的なメカニズムとして、こうした現象が現にあることも事実です。
そこで、こうした刺激を相手に与えず、自分らしく生きるという生き方・人生を改めて選択する良い機会だと考えてみることです。
これは消極的なようで、実はすごく積極的な、前向きな発想です。
そして、こうした苦境の中にあって、もう一つ、前向きな発想があります。
それは、いっそのこと意地悪な人を反面教師にして自分は成長しようという生き方です。

意地悪な人から学べること

実は、意地悪な人を反面教師にすることもできます。
意地悪な人について「なぜあんな風に意地悪をするのか」という心理やメカニズムを理解すれば、これからどうすれば意地悪を極力避けられるかを知るヒントになります。
そして、「私はこういうことはしない」と心に決めて生きることもできます。
やられたらやり返すのではなく、やられたから自分も同じことをするのでもなく、ただ「自分はしない」と心に決める生き方です。
感情的にならずに、理性的に分析して、自分の生き方のプラスにしていく。
そうやって意地悪な人から学ぶというのは、本当に高貴な学びではないでしょうか。 
そして、これは一つのモニタリング、モデリングといえます。
逆に、心ある人、人間関係が上手な人を「教師」として学ぶこともできるといえます。

人間関係のコツ

人間関係を上手くやっていくコツというものも、実はいくつか存在しています。
人付き合いが上手だったり、多くの人に好感を持たれる人を観察していくと、人に接するときの態度や言葉の選び方などが、実によく工夫されていることがわかります。
そして、そうした態度や言葉の選び方、つまりはコミュニケーションの仕方の他に、人間関係に対する捉え方も大切です。
人付き合いが上手な人は、この人間関係に対する捉え方も一味ちがいます。 

人間関係がこじれる原因とは?

逆に、人間関係がこじれる原因というものも、一方には存在します。
たびたび人間関係でトラブルに逢うという場合、そこには必ず原因があるものです。
ここもやはり、態度や言葉の選び方もありますし、先ほどお伝えしたように人間関係に対する捉え方が原因の場合もあります。
代表的なのは「否定」でしょうか。
誰でも自分を否定されるということは、決して心地よいことではありません。
例えそれがどんなに正論からの否定であってもです。
もちろん、だからといって、永い人生、人を絶対に否定しないというわけにはきませんし、時には愛ある否定、理性的な否定が必要なこともあります。
ただ、その場合でも相手への配慮、相手のプライドへの心遣いを欠かないような「伝え方」が求められますよね。
こうして書くと「当たり前」と思うかもしれませんが、私たちは意識していないところで、けっこう相手を否定してしまっているものなのです。
面と向かってならまだそうした配慮を働かせるとしても、これがネットのやり取りやSNSとなると、勝手が違ってくる場合もあります。

SNSで炎上しない、心無いコメントを引き寄せない投稿のコツ

SNSの中でも、特にツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)のようにコミュニケーション性の強いものは、炎上やコメントなどのトラブルが起きやすいものです。
SNSをよ~く観察していくと、炎上や批判コメントを誘発しやすい投稿の傾向が見えてきます。
ということは、投稿の仕方に注意を払えば、そうした批判コメント、不快なコメントが来る確率を抑えることができるわけです。
一つ紹介すると、批判色の強い投稿に対しては、やはり批判的なコメントが入りやすい傾向はありますね。
これは特定の人や団体、考え方を批判したものではなく、漠然とだったり、一般論的であってもです。
ただ、投稿した本人には、批判的な投稿をしたことで批判コメントを引き寄せているという自覚や認識はないことが多いので、こうしたトラブルが繰り返し起こる傾向も観られます。 
SNSを例に取りましたが、こうした意地悪などの被害に遭う場合、それをそのままにしても、時間が解決してくれることは少ないのが現状です。

いじめ、ハラスメントには早めに解決行動を取るのが得策

パワーハラスメントにしても、いじめや意地悪にしても、早めに解決行動を取るのが得策といえます。
意地悪な行動というのは、はっきりいって何も生み出しません。
職場でも、家庭でも、学校でも、人間関係の中では建設的なことは何も生まないどころか、人が傷つき、人間関係が壊れ、不信感や怒りが募るだけです。
そして、そうした状況は黙って見ているだけでは、時間の経過と共に悪化します。
時間が解決などしてくれないのが、意地悪やいじめ、ハラスメントです。
だからこそ、早めに解決手段、解決行動を考え、適切に実行していくことが肝要です。
そのためには、問題の捉え方、観察と分析を重ね、解決行動を選び、実践と検証を繰り返します。

意地悪の心理メカニズムを知っていると冷静に対処できる

意地悪な人に対しては、正攻法でいっても通用しません。
こうした状況を防いだり、抜け出すためには、こちらもしたたかになることです。
出来る限り感情的にならず、理性的になって状況を正確に観察&分析します。
カウンセリングでは、この観察と分析、そして解決行動の選択と実践、そこから結果をまた観察&分析・・・というサイクルで専門家であるカウンセラーと一緒に問題解決に取り組みます。
数多くの相談事例を経験・研究してきているので、一人でどうすればいいかわからなかったという人も、悪循環から抜け出し、状況を改善できたり、その状況から抜け出すことができていきます。

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心理カウンセラー鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
コーチとしても様々な目標達成に携わる。
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