うつ病になる前に!抑うつ状態を回避する「思考の客観視」とは

うつ病になる前に!「心に乱れ」が生じた時に真っ先に確認すべき、思考の「中身」と「時間」

現代の日本社会では、うつ病と診断される方が増えています。

しかしそれだけでなく、その前段階とも言える「抑うつ状態」に陥っている方が非常に増えています。

医療機関を受診していないために統計には現れないケースが多い。

ですが、カウンセリング現場の実感としては相当数の方が精神的な苦しさを抱えています。

こうした状態が悪化し、本格的なうつ病を発症してしまう前に、いかにして防波堤を築くかが重要です。

本記事では、抑うつ状態を予防するための「決め手」となる要素について深く掘り下げていきます。


【筆者プロフィール】
心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。コーチとしても様々な目標達成に携わる。
著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」は台湾でも出版された。
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抑うつ状態を左右する最大の決め手は「思考」にある

抑うつ状態になるかどうかの決定的な違い。

それはその人の「思考(考えている中身)」にあります。

私たちの感情は、何を考えているかによって大きく左右されます。

例えば、仕事での嫌な出来事や将来の心配事を延々と頭の中で反芻していると、感情は不安定になり、落ち込みやイライラが募ります。

ネガティブ・スパイラルの恐怖

ネガティブなことを考えている時間が長ければ長いほど、感情が不安定な状態も長引いてしまいます。

この状態が続くことで精神状態はさらに悪化し、結果として抑うつ状態へと移行していく「ネガティブなスパイラル」にはまってしまうのです。

逆に言えば、明るいことや感謝したくなるようなポジティブな内容を意識的に考える時間を増やすことで、精神状態を前向きな方向へ導くことが可能になります。

なぜ「悪いこと」を考え続けてしまうのか?

人はなぜ、自分を苦しめると分かっていながらネガティブな思考を止めることができないのでしょうか。

それには、その人が置かれている「環境」と、物事の「捉え方」という2つの大きな要因が関係しています。

ショックな出来事や傷つく経験をした直後は、誰しも心に乱れが生じます。

「なぜ自分だけがこんな目に」「どうしてあんなことをしてしまったのか」と、答えの出ない問いを延々と自分に投げかけ続けてしまうことが、抑うつへの入り口となってしまうのです。

要因その1:自分を取り巻く「環境」の影響

精神状態を健やかに保つためには、自分がどのような場所に身を置いているかが極めて重要です。

職場環境とメンタルヘルス

例えば、人間関係がギスギスし、ハラスメントがいじめが起きやすい殺伐とした職場環境。

そんな職場では、多くの人の精神は乱されてしまいます。

このような「環境要因」が強い場合、いくら本人が努力しても限界があります。

環境が原因であるならば、転職や部署異動などによって「環境を変えること」が最も効果的な解決策となります。

穏やかで優しい人たちに囲まれた環境に移るだけで、ストレスは劇的に軽減されます。

タイミングを逃さない重要性

ただし、注意しなければならないのは「タイミング」です。

あまりに劣悪な環境に長く居すぎると、心の傷が深くなりすぎてしまいます。

結果、安全な環境に移った後でも精神状態がなかなか回復しないという事態が起こり得ます。

早めの決断が、自分を守る最大の鍵となります。

要因その2:出来事に対する「捉え方」の転換

同じ出来事に遭遇しても、抑うつ状態になる人とならない人がいます。

その違いは、起きたことをどう「捉える(解釈する)」かという点にあります。

• ネガティブな捉え方:
不安、焦り、イライラ、自己否定を強める解釈。

• 建設的な捉え方:
「こういうこともあるさ」と受け流したり、「今できることは何か」と前向きな行動に繋げたりする解釈。

自分を責めすぎず、物事を建設的に捉えることができれば、しんどい状況であってもネガティブなスパイラルに陥ることを防げます。

専門家が実践する「思考のモニタリング」と解決法

抑うつを予防するために最も大切なのは、「今、自分は何を考え続けてしまっているのか」を客観的に見つめる(モニタリングする)ことです。

自分の思考の中身を俯瞰することで、苦しみの原因が「環境」にあるのか、「捉え方」にあるのか、あるいはその「両方」なのかが見えてきます。

カウンセリングの役割

カウンセリングの現場では、以下のようなアプローチで改善を図ります。

1. 環境に原因がある場合
捉え方を変えるよりも先に、まず環境を変えることを優先します。

2. 捉え方に原因がある場合
良い環境にいても落ち込んでしまう時は、対話を通じて否定的な捉え方を修正していきます。

3. 両方に原因がある場合
環境を移る準備を進めながら、並行して捉え方のトレーニングも行います。

自分一人でこれらを的確に判断し、タイミングを見極めるのは難しい場合も多いため、専門家の助けを借りることは非常に有効な手段です。

まとめ:あなたの心を守るために

抑うつ状態を予防する決め手は、他でもないあなたの「思考」にあります。

今、ネガティブな考えに支配されていると感じるなら、まずはその中身を静かにモニタリングしてみてください。

環境を変えるべきか、捉え方を見直すべきか。

その一歩を踏み出すことで、心は必ず安定した方向へと向かっていきます。

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心理カウンセラー鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
コーチとしても様々な目標達成に携わる。
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