共感と共感できたフリとの違いとは?

共感と共感できた振りの違い、本当の共感とうその共感の違いについて、あなたは明確に説明できますか?

本当の共感的理解についてしっかりと理解が出来ているでしょうか?

今回は傾聴・カウンセリングを勉強している人、こうした心理学に興味んある人、コミュニケーションについて知りたいという人に向けて解説しました。

会話がないから共感のしようがない?

先日、あるカウンセリングで、こんな話が出ました。

中学生の息子さんが不登校になられたお母さんが、「共感」について、こう言いました。

「よく”共感しましょう”って本に書いてあったり、勉強会なんかでも言われます。

でも、それがなかなか出来ないんです。

なぜって、息子と会話がなかなか無いから・・・・

学校の話しも一切しないし、会話があっても学校とは全然関係無い話ですし・・・」

このお母さんは「共感しなきゃ」と思うあまりに、とても焦っていたというのです。

そもそも、会話が十分できないのだから、共感したくても難しいと・・・

共感的理解に必要な実感とは

この話には、いろいろな問題提起を感じます。

別な言い方をすると、ヒントが隠れているんです。

共感というのは「実感」が必要なんです。

共感できたという実感ですね。

あるいは「わかった」「そうだったのか」という反応です。

私たちは、その対象に対して本当に理解が得られた時には、そういう反応が内側から自然に出てくるものなんです。

「なるほど、そういうことか」という、静かではあるが確かな反応です。

この実感や反応があるからこそ、それが相手(息子さん)にも伝わる。

だから、お互いの関係性が変わっていくんですね。

共感できた振りというのはすぐばれる

実感のないまま、共感できるよって態度を取る。

それは「共感」ではないんです。

共感できた振りをするっていいます。

わかっていないのに、わかったような態度を取る。

それって、相手からするとすごく虚しいし、場合によっては苛立つことなんです。

だから、実感もないまま、実感があったかのようにふるまうと、特に思春期の子どもは、猛烈に反発するんです。

「わかってもいないくせに、わかったようなことを言うなよ!」

これ、不登校になっているお子さんだじゃなく、思春期の子どもの一般的な反応です。

思春期じゃなくても、デリケートな心理状態にある子は、こういうところ、すごく敏感なんですね。

ある意味「うそ」や「矛盾」に対して、嗅覚がものすごく鋭くなっている。

本当の共感的理解ができるまで待てばいい

こちらに「わかった」「そうだったのか」といった実感がない。

だったら、実感ないなあって言っていた方が、まだ正直でウソがない態度ですよね。

信頼関係を築くには、そこに「ウソ」が無いこと。

これがとっても重要になってきます。

人間、本当に共感できたとき、静かだけど確かな「そうか」って反応が起きるわけですから、その反応や「そういうことだったのか」という実感が出てくるまで待てばいい。

共感的理解ができたという内側の実感や反応が出るまで傾聴や観察を続ければいいんです。

なるほどっていう実感は、大きくはないけど、そこに「間違いない」って感覚があります。

もう、それ以外にあり得ない、そういうことなんだ。

こういう「確かな感覚」があります。

こういう実感があるから、それは自分の言葉になりやすい。

自分なりに理解を持てたからこそ、その理解を自分の言葉で伝えられる。

これが「共感」です。

共感的理解と応答、そして傾聴

だからね、カウンセリングなどの応答も、おうむ返しにはならないんです。

おうむ返しになりようがない。

自分の言葉がちゃんと浮かんでくるんです。

先の中学生のお母さんの証言。

実感がないのにある振りなんかできない。

そういう心情の吐露でもある。

共感は人から言われて出来るものではなく、自分が実感するものなんですね。

どうぞ、自分の実感を大事にしてください。

そして、この実感を得るためには、やっぱり相手を徹底的に観察できないとならない。

この観察の一つとして会話上でなされるのが「話を正確に聞く」ということ、つまり傾聴です。

実態のある共感を得るためには、徹底的に観察が要るし、傾聴ってそのために必要なんです。

ということは、会話が成立しない状況であっても、徹底的な観察はできますよね。

会話がなくても「観察」による共感的理解もある

先の中学生のお子さんでいえば、日々、家の中でどいう風に過ごしているかです。

昼夜逆転の有無、食欲の有無、顔つきや言動。

昼間や夜に多く過ごす部屋、過ごさない部屋。

どの話にどういう反応を示すか?

学校に関係した話題やワードには、どの程度の抵抗を示すか、示さないか?

朝・昼・夕、そして夜の生活パターンはどうか?

外出する時は、どんな時か?

どの程度外出をするのか、しないのか?

学校の手紙を目にしたとき、どんな反応を見せるか?

学校から電話があった時、どんな反応を見せるか?

先生が家庭訪問する時、どういう様子か?

友達が様子を見に来たときは?

その様子は、友達によって違うのか?

こうしたことは、会話が出来なくても観察可能ですよね。

こうした観察から得られる情報をもとに、どんなアプローチが可能かを判断していきます。

そして、こうした観察から「そうか」「なるほど」ということが見つかった時。

「この子はこういう思いだったんだ」

「そんなことを考えていたんだ」

という実感が得られたとき。

これも一つの「共感(的理解)」になります。

実感もないのに、「辛いね」「苦しいね」っていうそういう言葉を投げかけることじゃないんです。

つまり、実感が得られるまでは、徹底的に観察する(話を聞く)しかないってことです。

こう捉え直せば、不登校で会話もない。

そういう関係の中でも、出来ることはあるってわかってきます。

どんな小さな動きも見逃さないってことがどれほど大事かってこともわかってきます。

共感というのは「わかったという反応」であり、自分なりに得心(とくしん)がいったという「実感」なんですね。

だから相手にもそれが伝わるし、相手も「わかってもらえた」っていう「実感」が持てるんです。

だから、いかにこの実感を得られるかを考えて人と対話していくことが共感につながります。

【動画】傾聴・カウンセリングでの「ウソの共感と本当の共感」3つの違い

最後に「ウソの共感と本当の共感」の違い3つについて、短い動画で解説しました。

とてもわかりやすい、腑に落ちたと好評ですので、最後にこちらをご覧ください。

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心理カウンセラー鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。
コーチとしても様々な目標達成に携わる。
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