パーソンセンタードアプローチとは(その理論と実際)




パーソンセンタードアプローチとは、カール・R・ロジャーズが確立・提唱したセラピーの一つ、カウンセリングの理論と実践法です。

クライエントを一人の人間としてまっすぐに捉え、その人間性に接することに専念し、その人となりに関心を向け続ける。

そのあり方と実践方法がクライエントの人格の成長と変化をもたらし、問題解決や精神機能の回復につながるとするものです。

その理論と実際を、以下にわかりやすくまとめました。 


<目次>
パーソンセンタードアプローチとは 
来談者中心療法の理論と実際 
来談者中心療法の欠点 


パーソンセンタードアプローチとは 

「人間中心のセラピーこそ、成果が出る」

これはカール・R・ロジャーズが主張し、実践してきた概念です。

パーソンセンタード・アプローチとも呼ばれます。

私が尊敬する吉田哲が尊敬していた臨床家、遠藤勉氏も「人格主義カウンセリング」を唱えていました。

ただ、一言で「人間中心」とか「人格主義」といっても、それはどういうことなのか?

わかるようでわからない・・・のではないでしょうか。

人間中心や人格主義を唱えた臨床家たちが言いたかったのは、クライエントを一人の人間として真っすぐ接することの大切さでした。

クライエントの抱えている問題や症状にではなく、クライエント自身の人間性にふれる努力をせよというのです。

クライエントの人となり、人生観、内面で躍動する感情、感覚、経験の世界。

こうしたものに着目し、感じ、イメージし、その感覚をもってセラピーに活かす。

その方がはるかにセラピー効果も高いというのです。

その昔、九州大学で心療内科の礎を築いた池見酉次郎氏という方がいました。

その池見氏は、病や臓器ではなく、患者を一人の人間として捉えることの大切さを説いたといいます。

臨床を突き詰めていくと、そこには同じ発見があるのでしょう。

ところが、往々にして私たちカウンセラーはクライエントを病気や問題からしか捉えられないことが起こります。

それはクライエントを否定的に捉えていることと同じ。

ロジャーズが説いた「肯定的配慮」「積極的関心」からはずれてしまうのです。

問題からしか捉えられなくなると、分析や解釈、問題視といった動き方をしたくなります。

病気からしか捉えられなくなると、診断、説明、説得といった動き方に偏ります。



カウンセリングの命、傾聴や共感的理解といった姿勢や態度が失われていくのです。

病気や問題からしか捉えられないと、どうしても「治す」「解決する」という
カウンセラー主導の働きかけになりがちです。


来談者中心療法の理論と実際 

カウンセリングで問題解決や病気の治癒にはクライエントの人間的成長も重要な要素です。

薬物療法を続けても、そこにクライエントの人間的成長がなければ、予後が悪くなったり、治療が長期間にわたることもしばしばです。

人間中心というのは教育的な態度であり、クライエントの成長を信頼する姿勢でもあります。

クライエントの内なる成長の可能性をカウンセラーが心から信じる。

そういう姿勢でクライエントの前に座り続けるからこそ、それがクライエントに伝わり、変化が起こり始めるわけです。

信頼が信頼を生み、確かな立ち直りが起こり、クライエントが人間として一段も二段も成長する。

この成長は永続的で、そうそう崩れることはありません。

クライエントの回復や問題解決に必要な人間的成長は、こうしたカウンセラーの姿勢や捉え方から生まれます。

カウンセラーが「そこが問題だ」「この症状をどうすれば」という解釈をするのではないんです。

「この人はこういう人間性で、こんな持ち味がある」とか、「そんな人生を歩んできたんだな」という感慨と実感です。

このカウンセラーの感慨と実感が深くて確かなものであるからこそ、生きた応答が生まれることになります。

クライエントを一人の人間として深く味わうことで生まれるカウンセラー側の感慨や実感。

これがクライエントに伝わるからこそ、それがクライエントには「理解された」という実感になるわけです。

こうした感慨や実感のないやり取りには、ぬくもりや絆を感じることは出来ません。

多くの臨床の現場で、こうした感慨や実感が失われたことで、カウンセラーは社会的な信用を失いました。

クライエントにまっすぐ接するためには、私たちカウンセラーが自分の人生をまっすぐ見る生き方が必要になります。

失われた信用を取り戻すには、カウンセラー一人一人が自分とまっすぐに向き合う生き方が求められているのではないか。

そんな問いを、日々のカウンセリングで突きつけられる毎日です。 

 
来談者中心療法の欠点 

パーソンセンタードアプローチ(来談者中心療法)にも欠点はあります。

まず、カウンセラー自身の実力差によって、カウンセリングの成功率やクライエントが変化成長するまでにかかる時間に、 バラつきや差が出やすいことです。

他の心理療法はツールやワークなどを用いるため、そうしたバラつきや差が、来談者中心療法とくらべると大きくはないといえます。

ただし、クライエントに対する信頼感と対話を重視する来談者中心療法は、心理的な深いコミュニケーションが可能となることで、クライエントの心理的な深い変化が起こりやすいと思います。

次に、 セラピーの様々な要素をクライエント中心に据えるために、クライエント自身の問題意識、立ち直る力が弱い場合には、時間がかかったり、成功率が低くなるという欠点もあります。

また、統合失調症や双極性障害、内因性の強迫性障害やうつ病の場合、こうした精神病に直接的に改善効果をもたらす度合いは 、限定的であることは否めません。

そもそも現代の精神医療では、こうした内因性の精神病を治癒させることはできず、寛解を一つのゴールにするのが限界です。

薬物療法によって症状を抑え、コントロールしながら、カウンセリングによって精神の安定を図り、生活環境などの調整を並行していくのが基本になります。

ただ、 一般に考えられている以上に、このパーソンセンタードアプローチ(来談者中心療法)は、クライエントの精神機能の回復にかなりの効果をもたらすことも事実です。

その成否を分ける大きなポイントが、人間中心の働きかけと人格主義に根ざした価値観と姿勢を有したカウンセラーの実力をや経験値、そして専門性となります。

今の日本に著しく欠けているのは、カウンセラーのこのような実力を引き上げるための適切な訓練・ トレーニングの存在なのです。

また、そうした訓練を積極的に受けようと意識をもったカウンセラーが少ないことも、日本の社会でカウンセラーの信用が 落ちてしまった要因でもあります。


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