怒りの感情コントロールについて




怒りの感情はコントロールすることを考えるよりも、怒りの感情が少なくなる物事の捉え方、人生観を身につけることが根本解決につながります。

テクニックで怒りの感情をその場で押さえるだけでは、そもそも怒りの感情が生まれる自分の捉え方や人生観がある限り、また感情的になりやすくなるだけです。

自分はなぜ腹が立つのかを知ることで、滅多なことで怒りの感情が沸いてこなくなりますし、怒りの感情が消化されるのも早くなります。

怒りの感情について、以下にわかりやすく解説しています。 


<目次>
なぜ怒りの感情が強くなるのか? 
怒りの感情が抑えられない 
怒りの感情がない? 
怒りの感情をコントロールするには 
なぜカウンセリングで怒りの感情から解放されるのか 


なぜ怒りの感情が強くなるのか? 

「怒りたくなかったのに・・・」

私たちは怒りたくないのに、つい怒ってしまう時があります。

怒ってしまって、後になって後悔する。

あるいは後から怒りが湧いてきて、なかなか気持ちを切り替えられない。

そういう経験はないでしょうか?

私たちの感情の中でも「怒りの感情」というものは、なかなか付き合い方が難しいものです。

「怒り」というものは、感情の中でもかなり強いもの。

瞬間的に湧いてくる感情ですから、コントロールが難しい。

様々な感情の中で、怒りの感情に気づくのは簡単ではありません。

仏教でも「怒り」というのは、3大煩悩の一つとされています。

人間を苦しめ、不幸にするものとして、戒めの対象になっていますね。

けれども私たちはついイライラしてしまいます。

知らぬ間に不機嫌になっていることがあります。

“カチン”ときて声を荒げたり、場合によっては言い合いになってしまう。

時間が経ってみると、何とも言えないほど後味の悪いものですね。

「怒り」には破壊のエネルギーがありますから、厄介です。

怒りは他者を傷つけ、自分を傷つけます。

皆で築いてきたものを一瞬で破壊してしまうかもしれません。

「怒り」というものは、自分をないがしろにされたと思うときに私たちの中に湧いてくる感情の一つです。

自分の意向を尊重してもらえなかったり、無視されたと感じたとき。

自分の思うように相手が動いてくれなかったと思ったとき。

自分自身を軽くみられたり、否定されたと強く感じたとき。

そういう時に私たちは「怒り」を覚えるようです。

怒ると精神衛生上も良くないですし、健康にも良くありません。

ストレスの奥に潜む感情の代表的なものも「怒り」の感情だといわれています。

ということは、私たちは怒りの感情に支配されないように、上手に自分の”心の平穏”を守っていく必要がありそうです。

ところが「怒り」の感情というものは、自分一人ではなかなか対処が難しい。

では、どうすれば「怒り」に飲み込まれず、心の平穏を守れるのでしょうか? 


怒りの感情が抑えられない 

仕事や人間関係など、ものごとが思うようにいかないとき。

私たちはどうしても、イライラしたり、落ち込みます。

つまり、感情的になって、冷静な判断ができなくなります。

感情的になると、視野が狭くなりがちです。

だから、自分の身に起きている事を正確に見据えることが、どうしても出来なくなります。

カウンセリングでも、多くの人たちが狭い視野の中で苦しんでいるケースが目立ちます。

だから、カウンセリングで感情が落ち着いてくると、自然に視野が広がる(戻る)ので、いろいろなことに気づきが生まれてきます。

こうした気づきを経験することで、更に感情が落ち着き、視野が広がります。

この好循環に入っていけば、カウンセリングに通えば通うほど、状態(や状況)が良くなっていくわけです。

逆にいえば、この段階にたどり着くまでが、一つの踏ん張りどころといえます。

以前「仕事で裏切られた」という経験によって、そのトラウマに苦しんでいる方がカウンセリングに来られました。

40代のHさん(男性)です。

心の中に「許せない相手」や、「許せない出来事」がある。

こういう時は、本当に苦しい感情に苛まれるものです。

許せないという感情は怒りの感情です。

誰かを責めずにはいられない。

これは苦しいことなのです。

そして、そういう自分をもまた責めてしまうことが多いです。

人を許せない自分、そういう自分が嫌だなと思うんです。

つまり、自分自身をも許せていない状態。

こうした感情の状態がずっと続くわけですから、何をするにも苦しさがつきまといます。

Hさんも、こうした感情に苦しみ続けてきました。

しかし、どうにも自分の努力だけでは解決できない。

そこで専門家の力を借りたいとカウンセリングに来られたのです。

カウンセリングに通っていくうちに、Hさんは思いもよらぬことに気づきます。

それは、自分が

「許せないという感情は、人間が抱いてはいけない感情だ」

「許せないという感情は、決して抱いてはいけない感情だ」

と捉えていたことです。

そのことに気づいたと同時に、Hさんは、もう一つのことに気づきます。

「許せないと思ってもいいのではないか?」

「許せないという感情も、人間の自然な感情なんじゃないか?」

Hさんは自然と自分の許せないという感情を受け容れるようになっていきました。

許せないという気持ちがあってもしょうがない。

ならば、今はこの「許せない」という気持ちと共に生きていこう。

そうすると、Hさんの精神状態が大きく変化しました。

「許せない気持ちを抱く自分」を「許した」ことで、ものすごく気持ちが楽になったというのです。

その結果、過去に対する気持ちにも少しずつ変化が出てきました。

許せないという気持ち一色だったその相手や出来事に対し、もっと幅の広い捉え方が出てきたのだそうです。

そして、Hさんは、最後の面談でこう言ってカウンセリングを卒業されました。

「裏切られたことそのものは、今も辛く悲しいことです。

でも、あの経験やこの苦しみがあったからこそ、今の自分があると思えます。」

「この経験があって良かったとさえ、今は思える。

過去のあの出来事に、一方で感謝の気持ちすら覚えます」

自分で認めたくない感情をもう一度、丁寧に見つめ直していく。

すると、これほどの変化を経験することもあります。

思うようにいかない状況をどう捉えるのか?

交通網がマヒしたとき、過去のトラウマに向き合うとき。

何かを捉え直すことで、新しい心境や道が見つかるかもしれませんね。 


怒りの感情がない? 

怒りの感情がない人間というのはいません。

違いがあるとすれば、怒りの感情が言葉や態度に出るか出ないか。

あるいはどの程度、出てくるかということです。

言葉や態度に現れるというところで考えると、本人が意識して出しているのか、 無意識に出てしまっているのかといった違いもあるでしょう。

また逆に、 言葉や態度に怒りを出さない、 もしくは出てこない場合。

これは意識して出さないようにしているのか、ある状況下にあって出すに出せないのかといった違いもあるでしょう。

怒りの感情は私たちにとっては大きなストレス経験となります。

ネガティブな感情の中でも最も強い感情と言ってもいいでしょう。

この強い感情が言葉や態度に出てくることによって、 ある意味怒りの感情が発散されているということは言えます。

しかし、怒りの感情は強くあるにもかかわらず、それが言葉や態度に出てこない場合、怒りの感情は鬱積することになります。

鬱積した怒りの感情は消化されないまま内面に積もり積もっていくために、時には身体症状となって現れることがあります。

私たちは自分の感情を落ち着いて言語化することによって、 その感情を鎮めることができます。

しかし、言語化されずに鬱積した感情は、 様々な身体症状となって出てくることがあります。

特に怒りの感情は強いものなので、 様々な身体的疾患となって現れることがあります。

頭痛、腹痛、関節痛などの痛み、腸の過敏症状、筋肉の硬化、アレルギー症状などです。

もちろんこうした内科的な症状が全て怒りやストレスからくるわけではありませんが、怒りの感情やストレスがこうした新身体症状となって現れるケースもあるわけです。

中には強い怒りの感情があるにもかかわらず、 自分には怒りの感情がない、意識できていないというケースもあります。

怒りの感情を無意識に抑圧しているケースです。

こうなると様々な身体症状が現れる危険性が出てきます。

この場合はカウンセリングなどで自分の感情をひとつひとつ丁寧に言語化することで、抑圧された感情を自然に解放することで身体症状が消失していきます。
 

怒りの感情をコントロールするには  

よく「受け容れる」という言い方をします。

「受け容れる」というのは、いったいどういうことなんでしょうか。

私たちは、何かを受け容れられないと苦しみます。

以前「ねばならない」「こうあるべきだ」が私たちを苦しめると書きました。

これは私たちの思い込みであり、物事に対する囚われです。

何かに執着してしまうと、人は生きづらくなることがあります。

誰かに何かを言われた。

自分の望む結果にならなかった。

それでひどく腹が立ったり、落ち込んだりする。

そこには「ねばならない」「こうあるべきだ」が根強くあります。

こうした思い込みや囚われ、執着が、私たちを苦しめています。

逆に、これらがなければないほど、楽に生きることができます。

ところが、この思い込みを捨てるというのは、至難の業です。

いざ、捨てられてしまえば、何だったんだろう?という程度のものです。

しかし、捨てられるまでは、捨てるなんてとても出来ないとしか思えません。

誰かに何かを言われて腹が立ったり許せない。

それは「そんなことを言うべきではない」という思い込みがあるからです。

望む結果にならず落ち込んでいるのは、「こういう結果であるべきだ」という思い込みがるからです。

しかし、世の中、実際は思い通りにいかないことばかりです。

起きた出来事や結果を受け容れるとは、そうした「思い込み」をあきらめることとイコールです。

自分の思い通りにしたいという思いをあきらめる。

こうあるべきだという規範意識から離れる。

その結果、受け容れることができるわけです。

確かに、こうした思い込みを手放すのは、簡単ではありません。

それが出来れば苦労しないという話になります。

しかし、「それが出来れば苦労しない」の先に答えがあることも事実です。

この先に歩を進められるようになるには、人それぞれの時間が必要です。

数時間の場合もあれば、数年の場合もあります。

越えてみれば、それは一瞬で、憑き物がとれたかのような感じになります。

しかし、私たちは、それをあきらめるために、相応の時間が必要のようです。

変わるのは一瞬。

カウンセリング等を通して、こうした場面をたくさん見てきました。

越える瞬間、変わる瞬間は、本当に一瞬なんです。

しかし、その一瞬を迎えるためには、膨大な時間がかかることもあります。

何かを得るためには、何かを手放す必要がある。

手放した瞬間、その手は満ちている。

仏教ではそういう教えがあるそうです。

仏教の教えの中心は、まさに思い込みなどの「執着」を手放すこと。

座禅や瞑想などの修行も、そのためにやっている部分があるのです。

何度も言いますが、あきらめるというのは、時には至難の業です。

しかし、その思い込みを手放せないことで、多くのことを失っているのも事実。

思い込みはその事実に目をふさがせてしまうんです。

ただ、究極的には常に、あなたには選択の余地が残されています。

どちらを選ぶのか?選べるのか?

その選択が常にあるだけなのかもしれません。

私の仕事は、そうした選択の瞬間に寄り添うことです。

代わりに選択をしてあげることではないし、できるはずもありません。

その選択は、時には苦しいもの、厳しいものかもしれません。

それでも、選んだ選択の中で、私たちは生きていく。

人生は、それ以上でもそれ以下でもないのかもしれません。 


なぜカウンセリングで怒りの感情から解放されるのか 

基本的には「自分は今、怒りを感じているんだな」と認識できるかです。

認識できれば、ずいぶんと怒りが緩和していくものです。

怒っている自分を少し冷静に捉えることができれば、「怒りの支配」から抜け出し、よりクールに自分を見つめられます。

ただ、その作業を自分一人で行うのは、これもなかなか難しい(^^;

カウンセリングではこうした自分の感情を落ち着いて見つめ直すための作業を一緒に行います。

カウンセラーが感情の反射役(鏡)になるので、自分の感情をより正確に見つめやすくなるんです。

「私は腹が立ったんです」「許せません」と言葉にできるわけですから、自分を、自分の感情を客観視しやすくなるわけです。

そして「腹が立った」という事実をカウンセラーに受け止めてもらう。

だから、より自分の「怒り」の感情を受け容れやすくなるわけです。

例えば、こんな短いやり取りをするだけでもずいぶんと違います。

クライエント「腹が立ってしまったんです」
カウンセラー「つい、腹立たしくなった」
クライエント「そうですね・・なんでそんな言われ方を・・と・・」
カウンセラー「言い方を考えて欲しかった」
クライエント「そうです。私の言うことに聞く耳をもたないところがあって」
カウンセラー「やっぱり、自分の言うことを、もっと聞いてほしいと・・」

「そうですね」と言うたびにクライエントは僅かずつではありますが、自分の感情を受け容れられるようになります。

それと同時に、怒りの感情の背後にある自分の想いが言葉になって出てきます。

それで自分がなぜそこまで怒りを感じたも見えてきます。

これは簡単な一例ですが、たったこれだけのやり取りを交わすだけでも、その人にとって大きな転換点になるケースもあります。

自分自身の「怒り」の感情が湧いてくるプロセスに気づく。

そうすれば、その「怒り」を意識化や言語化できるようになる。

その結果、怒りから解放され、心の平穏を取り戻すことができます。

つまり、自分の中に怒りの感情が瞬間的に湧いてくる。

そのプロセスを一つ一つ理解できると、怒らないで済むようになります。

人間はつい怒ってしまうことがあります。

ですが、一方で怒らないで済むようにできる知恵をもっています。

この両方の捉え方を受け容れる。

だからこそ、自分を変えるスタートラインに立てるのではないでしょうか。 


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この記事の投稿者:鈴木雅幸(心理カウンセラー・講師)のプロフィール   

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