なぜ「感謝」する人生は幸せになるのか

感謝は人生を幸せにする究極の行為です。

脳科学的にも心理学的にも感謝さえ忘れなければ幸せになります。

仕事・人間関係・メンタル、人生を幸福と成功に導く感謝について心理カウンセラーが解説します。

【筆者プロフィール】
心理カウンセラーとして6000件以上(2020年4月現在)のカウンセリングを実施。
5年間にわたりスクールカウンセラーとして教育現場の問題解決にあたり、現在も個別に教育相談を受ける。
大手一部上場企業を始めとした社員研修の講師として10年以上登壇し、臨床カウンセラー養成塾を10年以上運営。コーチとしても様々な目標達成に携わる。
著書「感情は5秒で整えられる(プレジデント社)」は台湾でも出版された。
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感謝している時の脳は最高の状態になる

感謝の大切さを説く話しはいろいろありますね。

様々な教えや生き方を説く考えでも、感謝というものが根にあります。

では、なぜそこまで感謝というものの大切さが説かれるのでしょうか。

先ず一つに、人間の脳は感謝している時が一番良い状態だと言われています。

脳科学的にも、感謝している時の脳の状態は最も健康的で、パフォーマンスも発揮されやすいと言われています。

感謝は脳をより機能させ、活性化させるといえます。

感謝すると視野が拡がる

また、感謝している人間は、周囲から見ても暖かく、安定していて細やかな気配りなども欠かさない印象があります。

感謝というのは、決して自分のことだけで頭が一杯ではできないもの。

常に「誰か」の存在に心が通じている状態です。

そして、感謝をするためには、周囲にしっかりと目を向ける必要も出てきます。

感謝の対象は主に人、そして経験したこと、自分の置かれた状況などです。

そうしたことを「落ち着いて見直す」ことで、そこから感謝の念が沸いてきます。

つまり、感謝を感じるためには、いろいろなことを冷静に、しっかりと認識する必要が出てきます。

周囲を冷静に見ることで、気持ちもより理性的になっていきます。

感謝を意識することで、自分を見失わず、周囲とのつながりなども再発見できます。

感謝は苦しいこと、辛いことをありがたいものに変えてしまう

また、これまで経験してきたことに対しても、感謝に値するものを再発見する場合もあります。

それまで嫌だ、辛い、苦しいだけだと思ってきたことが、実は自分を人として成長させてくれていることに気づく。

一つ一つの経験は、自分を成長させるために起きていると悟る。

そのような捉え方の変化、気づき、学びは私たちの精神を健やかなものにしてくれます。

カウンセリングやコーチングでも、感謝について語る際に、クライエントがよく涙を流す場面があります。

「ありがたい」「自分は恵まれていたんだ」という気づきと共に流れる涙。

まさに、心が洗われる瞬間かもしれません。

人は悲しいからだけでなく、感動やありがたさが身に染みた時にも涙するようです。

感謝は自ら見つけるもの

感謝というのは、感謝できると思えることが起きればできるもの?

もちろんそれも真実ですが、感謝をもっと能動的に捉えると世界が広がります。

感謝は自分で見つけにいくものかもしれません。

「これは感謝できる」「これも感謝できる」「実は感謝すべきことだった」

そんな発見が日々の生活にあると、とても豊かな気持ちになります。

人間、感謝できない人生ほど辛いものはないかもしれません。

でもそれは、感謝したくなる事が起きていないということでしょうか?

もしかしたら自ら感謝することを放棄していないでしょうか。

そう考えると、感謝とは自ら見つけていくものかもしれません。

カウンセリングやコーチングで感謝について語られる時、よくこんな言い方を耳にします。

「これまで当たり前だと思っていたが、当たり前ではなかったのですね」

つまり、当たり前だと思っていることに、実は感謝すべきことが隠れている。

それを私たちは見逃しているかもしれないのです。

あなたは、感謝を見つけていますか?

目の前の人や出来事、自分の境遇、置かれた場所に、まだ見過ごしている感謝はないでしょうか。

親には感謝すべき?いえ、それは逆です

ちなみに、よく世間で言われる「親には感謝しなさい」ということ。

これは一概にいえないと私は思っています。

感謝したくない、感謝する気になれない親はいますから。

感謝というのは親が子どもに「子育てさせてくれてありがとう」とするもの。

子どもに強要するものでもなければ、義務や倫理・道徳からすべきものでもありません。

親に感謝するかしないか、それは子供が決めればいいし、子どもに選択権があります。

あくまでも自分が平常心になって周囲を曇りのない眼で見た時に感じられるもの。

目を開いて物事を改めて真っすぐ見ようとした時に自然と感じられるものです。

あるクライエントの方が、ある時、こんな話をしてくれました。

「外を歩いていて、フッと道端に咲いている花を観ました。

とても奇麗だと思ったけど、今までそんな風に感じたことはなかった。

花を愛でる余裕もなかったけど、そこに花が咲いているというだけで『ありがとう』と思った。

そうしたら、自然と涙が出てきて・・・感謝できることに感謝したいなと思いました」

運の良さよりも大事なことがあった

「運が良くなる」「開運」といった書籍は今もよく売れているみたいです。

では運とは何か?

運が良くなる方法って本当にあるのか。

先ず、開運グッズなるものを買えば、運は良くなるのでしょうか。

私はこれには正直、とっても否定的です。

こうしたグッズは人間が商売用に売っているだけだと考えています。

また、パワースポットに行けば、運が良くなるのでしょうか。

私はこちらもかなり懐疑的です。

グッズもパワースポットもなぜ否定的かというと、どちらにも「依存」が存在するからです。

開運グッズさえ買えば、運が良くなる。

パワースポットにさえ行けば、運が開ける。

これは普段からの自分の努力、姿勢、行動が抜けた発想で、グッズの所有やパワースポットへの参拝に依存しています。

以前、何人かの巫女さんに聞いたお話です。

巫女さんたちが異口同音に言うのは、神社はお願いをする所ではないということでした。

神社ですべきは「感謝」と「宣言」だそうです。

言葉にすると「お願いします」はNG。

「私はこうします(こう生きます)、よろしくお願いします。」という宣言、
「いつもありがとうございます。」という感謝、そう言うのが正しいそうです。

そもそも、神様にお願いするというのは、神様に「こうしてくれ」と命令するのと同じですしね。

「苦しい時の神頼み」という言葉があります。

そこは人間ですから、苦しい時に頼みたくなる気持ちになるし、それは否定したくありません。

ただ、お願いすれば、頼めばその通りになるかというとそういう保証はどこにもないように思います。

何か思い通りにしたいのであれば、そうなるように力を尽くすしかない。

やれることをやれるだけやり切るしかない。

人事を尽くして天命を待つ

結局はそういうことなんだと・・・・・

神社でも「感謝」するから運が良くなる?

先ほど神社で手を合わせる時に言葉として出てきた「感謝する」ということについてなんです。

感謝できる人間になるって、本当に大事なことだなと思うんです。

感謝できる人間になること、いろいろな事に感謝できること。

それは運が良くなるとか開運を求めるよりももっともっと大事で、何よりも幸せなことではないでしょうか。

感謝は脳のパフォーマンスを高めるし、何より心が穏やかでいられます。

感謝を習慣にすることで、気持ちも前向きになりやすい。

出逢った人を乱暴に扱うような気持にはなれない。

心が落ち着くから、物事をしっかりと観られるし、的確な判断もできるし、粘り強く行動もできる。

そうなると「結果的に」結果が良くなる。

その時に初めて「運が良かったな」という言葉が活きてくる。

そういうことではないかと思うんです。

幸せな人は感謝を習慣にしていた

20年カウンセリングをやってきて思うのは幸せな人は自然と感謝を大切にしているということ。

今の当たり前を当たり前とは思わず「ありがたい」ことだと捉えている。

ありがたいというのは「ありがたし(有り難し)」だから稀有なこと、滅多にはない、普通には無い、貴重なことともいえる。

そうやって今の自分、今の状況を「価値あるもの」だと捉える。

そうすると自然にありがたい、恵まれている、幸せだという思いが出てくる。

その気持ち、その言葉を携えて神社に参拝する分にはその参拝という行為そのものが心の平穏につながるでしょう。

感謝できるということは、心の平穏につながる。

形だけでなく、心から感謝できる、それは本当に幸せなことです。

開運グッズとかパワースポットといった「依存」ではなく、自らの感謝を大切にしてみてはいかがでしょう?

こちらの記事も参考にしてください↓

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心理カウンセラー鈴木雅幸(コーチ・企業研修講師)のプロフィール

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