無条件の肯定的配慮(積極的関心)とカウンセリング




無条件の肯定的関心、肯定的配慮を獲得して維持するには秘訣があります。

カウンセラーの基本姿勢の一つとされている肯定的配慮のカギは、クライエントに対していかに真っすぐに強い関心を持ち続けられるかにかかっています。

この真っすぐな強い関心は非常に重要であり、カウンセリングの成否にも大きく影響しますので、以下にわかりやすく解説します。 


<目次> 
積極的な関心があれば限りなく肯定的に聞ける 
肯定的な配慮や関心はクライエントへの信頼から 
無条件の肯定的関心を維持できる3つのポイント 


積極的な関心があれば限りなく肯定的に聞ける 

カウンセリングでいわれるかうんせらーの3つの基本姿勢(条件)。

共感的理解、自己一致、そして無条件の肯定的配慮(関心)の中で、無条件の肯定的配慮は如何に成立するのでしょうか?

それは、カウンセラーがクライエントにどのような関心をもつかで決まります。

一言でいえば、クライエントに対してまっすぐに強い関心を向けることです。

別な言い方をすると、目の前のクライエントに対して一人の人間として純粋な関心を寄せることを意味します。

具体的にどのような関心の寄せ方かというと、言葉にすればこうなります。

「この人はどんなお人柄なんだろうか?」

「今までどんな人生を歩んできたのだろうか」

「この人は今直面している問題や自分自身、そして自分の人生をどう捉えているのだろう?」

「この人は今、何を私に伝えようとしてくれているのだろうか?」

「今、この人はこのカウンセリングの時間をどう感じているのだろうか?」

これが肯定的な捉え方につながります。

ですから

「この人のどこが問題なんだろうか?」

「この人の何がいけないのだろうか?」

といった否定的な関心の向け方をしないことです。

真っすぐに関心を向けていく中で浮き彫りになる問題と、最初から問題視していく中で「問題だ」と断定していく問題とは、その本質がまるで違います。

また、ここでいう「無条件の肯定的・・」というのは、クライエントのあり方や言動、話の内容に対してすべて肯定するということではありません。

そうした捉え方の前に、まず目の前のクライエントに対して「どんな方なのだろう」と純粋に真っすぐ関心を寄せることを意味します。

だからこそ、クライエントの問題を的確に捉えることもできます。

カウンセラーがクライエントの話を聞きながら否定的な関心の向け方をすると、それは必ずカウンセラーの態度や応答に反映されます。

その反映されたものは、クライエントにしっかりと伝わっていきます。

目の前のカウンセラーが自分を否定的に捉えていると感じたときのクライエントの気持ちは、どんなものだと思いますか?

カウンセリングの場合、カウンセラーとクライエントは初対面の場合がほとんどです。

ですからカウンセリングという場を通して、一から人間関係を築いていく必要があるのです。

そんな条件なので、カウンセラーが最初から、あるいは途中から否定的な捉え方に縛られてしまうと、人間関係の構築にとっては著しいマイナスとなります。

ところが、この否定的な態度や捉え方は、カウンセラーに無意識に起こる場合が多いのです。

つまり、カウンセラーにしてみれば、自分がクライエントに対して否定的になっているという自覚がないのです。

人間関係の中で、この「自覚がない」ということがしばしば大きな問題に発展します。

カウンセリングでも同様で、自覚がないためにカウンセラーは、クライエントにとって否定的なアプローチを次々としていく可能性も出てくるのです。

なぜこんなことが起きるかといえば、それはカウンセラーの訓練不足、勉強不足、経験不足からです。

ただ、本当に次につながる否定があるとすれば、それはカウンセラーとクライエントとの間に、しっかりとした信頼関係が出来ている場合です。

クライエントの側に「この人の言うことだから、真剣に受け止めよう」という姿勢が十分に確立されていれば、カウンセラーが問題を指摘しても次につながっていくはずです。

それがつながらないとすれば、信頼関係が十分ではないか、伝え方に配慮が欠けていたか、指摘そのものがずれていたか、クライエントにそれを受け止めるだけの態勢が整っていないかのいすれかでしょう。

カウンセラーの側にクライエントに対する肯定的な捉え方が維持されていれば、それがカウンセラーの安定した態度としてクライエントに伝わるということもいえます。

人間対人間の関りには、こうした肯定的な姿勢が必ず必要になるといえ、それはカウンセリングでも例外ではありません。

そのカギを握るのが、クライエントに対して一人の人間としてのまっすぐな関心を強く向け続けることなのだということは、いくら強調してもし過ぎることはないでしょう。
 

肯定的な配慮や関心はクライエントへの信頼から 

カウンセラーが終始安定感をもって面接に臨めることが極めて重要です。

なぜなら、その安定感がクライエントにも伝わるからです。

クライエントもそれで安定感を取り戻します。

その結果、カウンセリングは成果を生みやすくなります。

そのためにはカウンセラーに専門性や経験が必要です。

専門性や経験の他に、重要な要素があります。

これはカウンセラーの姿勢に関する話になりますね。

カウンセラーに安定感が生まれるのは、根本的な姿勢の問題でもあります。

カウンセリングはセラピーであることは事実です。

クライエントが良くなっていく、精神的機能を回復していく。

そういう過程と結果があるのも事実です。

しかし、カウンセラー側の「治療」「良くする」という捉え方。

誤解を恐れずにいえば、これは「百害あって一利なし」です。

私は先ほど「クライエントが良くなって」と書きました。

しかし「クライエントを良くする」とは書きませんでした。

カウンセリング行為を行うことは、結果的に良くすることではあります。

しかしカウンセラーがこれを"意識"すると、途端におかしなことになります。

カウンセリングの途中から助言をしたくなる。

いろいろなことを質問してみたくなる。

クライエントが表明してもいないことを「こうでしょ」と言いたくなる。

クライエントに「気づかせよう」クライエントを「変えよう」という気持ちが働く。

ロジャーズはこれらの動きや思いを「邪道である」と指摘しています。

実際「邪道」という言い方ではないですが、不適切だといっています。

心の問題は、知的な刺激や理解を与えるだけでは解決しません。

知的な働きかけ(助言・質問・説得など)は、心を動かさないからです。

むしろ情緒的な交流によって心は動いていく。

心の問題は対話を通した心の交流によって解決に向かうと発見したのです。

知的な働きかけは、そうした交流によって絶対的な信頼関係が築かれた場合のみ、初めて生きてきます。

さて、話をもっと根本的なところに移しましょう。

そもそもカウンセラーはなぜ、良くしよう、気づかせようという意識をもってしまうのでしょうか?

カウンセラーの中に「良くしよう」「気づかせよう」という意識が出てくる。

だから助言したくなったり、説得したくなったりするわけです。

良くしよう、気づかせようという意識が出てくるのは、ある姿勢が欠如しているからです。

カウンセラーの基本的な姿勢、カウンセリングの基本姿勢です。

それは「クライエントを信頼する」という姿勢です。

クライエントの立ち上がってくる力を信頼する。

クライエントの中に成長しようとする力が内在することを信頼する。

この基本姿勢を強く持ち、それを保てるかどうかがとても重要になります。

「このクライエントは自分で気づけないだろう」

カウンセラーの中にこういう思いが出てくれば、当然助言や説得・説明によって気づかせたくなるでしょう。

クライエントは自分で気づくことができないとは、つまりはクライエントへの信頼感が弱いことを意味します。

もちろん、助言や説明、説得が必要な場面はあります。

これらの働きかけが常にNGであるわけではありません。

ただ、こうした働きかけが有効なのは、それこそ双方の間に絶対的な信頼感がある場合に限られます。

いくら必要だと判断して助言等の働きかけをしても、双方に信頼関係が築かれていなければ、機能しないのです。

その信頼関係を築く一番根本の姿勢こそ、クライエントに対する絶対的な信頼です。

「目の前のこのクライエントは、必ず自分で気づき、学ぶだろう」

「このクライエントの中にも、立ち上がる力が必ずある」

こういう捉え方・姿勢が常に失われないからこそ、傾聴や共感的理解に徹することができます。

そして、徹することで信頼関係が生まれ、やがて必要な場面での助言や説得・説明が生きてくるわけです。

私も過去に、自分の面接の録音や逐語をチェックしたとき、上手くいっていない場面ではこの「信頼感」が欠如していました。

クライエントに対する基本的な信頼感を忘れてしまった時ほど、余計なことをやろうとしていました。

こうした信頼感が失われるときは、面接に行き詰まりを感じた時です。

そして、なぜ行き詰まりが発生したかを検証すると、結局は「聞けていない」という結論に至るのです。

つまり徹底した傾聴、それに伴う集中力の欠如でした。

クライエントに対する確信的な信頼感を失わない。

そして「ひたすら聞く」という姿勢を貫く。

全てはやはりここから始まるのだということを思い知らされました。

逆にいえば、これらの姿勢さえ失わなければ、様々な可能性を生み出すことができるといえるでしょう。

ロジャーズのカウンセリングが絶対とはいいません。

どんな心理療法にも限界はありますし、心理療法家の技量によっても限界は出てきます。

しかし、私はセラピーの根本に「信頼」「理解」を置いたロジャーズのあり方に、私なりに「光」と「希望」を感じました。

治すとか良くするという上からの立場ではなく、「信頼する」「理解に努める」という共同作業を取る立場。

ここに大いなる可能性を感じたのです。
 

無条件の肯定的関心を維持する3つのポイント 

カウンセリングの中でクライエントの話を聞く際に、その話をどんな気持ちで聞けるかが重要です。

この聞く時の気持ちというのは、主に二つに大別されます。

○肯定的に聞ける人

●肯定的に聞けない人(⇒否定的に聞く)

カウンセリングで成果を生むためには、もちろん肯定的に聞き続ける必要があります。

ところが、カウンセラーも人間ですので、ある場面ではどうしても否定的にしか聞けなくなる時もあります。

ではいったい、どうして否定的にしか聞けなくなるというそういうことが起きるのでしょうか?

そういうことが起きる理由は、主に3つあります。


1)クライエントを理解したいという気持ちが薄れてしまう

私たちは興味・関心のあるものに対しては肯定的な気持ちになります。

もっと知りたい、もっとわかりたいという気持ちが働くからです。

クライエントをもっと知りたい・わかりたいという気持ちが強ければ、「もっと(積極的に)聞きたい」となるはずです。


2)セラピストのものの見方がまだまだ狭い

人間の捉え方に幅があり、奥行きがあり、なおかつ多面的に捉えられる「眼」を持っていること。

クライエントの話を落ち着いて聞けるためには、懐の広い人間観や人生観を持つことも必要です。


3)セラピスト自身に心的問題が内在している

特定の経験が心に引っかかっていたりすると、同じようなテーマの話を落ち着いて聞くことは難しくなります。

夫婦問題に悩んでいる人が、同じように夫婦問題の相談にしっかりと乗ることは難しくなります。

悩んでも、その問題をしっかりと克服していることが必要です。


こうした3つの不安要素がなく、クライエントに対して純粋な関心を強く寄せ続けることができると、その限りにおいては肯定的に聞くことができます。

「クライエントのことを理解したい」という気持ちを純粋に強く持つことによって、どこまでも肯定的にクライエントに対応する土台が形成されます。

ロジャーズが提唱したカウンセラーの基本姿勢の一つ。

「限りなく肯定的(積極的)に関心をもって聞くこと」

この言葉の意味は、クライエントの理解に専念することとイコールであるといってもいいでしょう。

私自身も毎回カウンセリングの際には、この3つの観点から自分の面接を検討しています。

 
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