傾聴の姿勢と技法




実際に傾聴を実践してみるとわかりますが、多くの人が悩むのがその姿勢と技法についてです。

姿勢というけれど、どのような意味なのか?どんな姿勢なら良いのか?

その姿勢は、感覚的にはどんなものなのか?

また、技法を技巧的な、表面的なものではなく、血の通った、生きた技法にするにはどうすれば良いのか?

今回はその点をわかりやすく解説します。 


<目次>
傾聴の正しい姿勢とは 
傾聴の姿勢と技法の関係 
傾聴と共感的理解 


傾聴の正しい姿勢とは 

私は、傾聴とは「話を正確に聞くこと(聞けること)です」とお伝えしています。

クライエントが何を伝えようとしているのか?

その話を通して言いたいことは何か?

こういうことを、とにかく正確に聞き取ることが第一です。

傾聴トレーニングを実施すると、皆さん、なかなか思うように聞けないと言います。

正確に聞こうと思っても、自分勝手に聞いてしまう。

正確に聞く前に、自分の感想やアドバイスを言いたくなる。

多くの人たちが、そういうジレンマを訴えます。

では、正確に話を聞くためのポイントを、今日はまたお伝えします。

ポイントは「頭で聞かない」ということです。

頭で聞こうとすると、余計なことを考えてしまいます。

頭をなるべく働かさない。

身体も心もリラックスさせ、頭はボーっとさせる。

感覚的な話ですが、そういう状態が良いと思います。

私はカウンセリングをするとき、極力、頭で聞かないようにしています。

もっと厳密でいうと、耳で聞くというよりも、胸やお腹の下の方で話を聞く感覚です。

その時、頭をなるべく働かさないのがコツです。

カウンセリング中は、身体感覚を鋭敏にします。

呼吸を整え、ゆっくり行い、その呼吸感覚を意識します。

同時に身体の感覚にも意識を向けます。

椅子に身体がふれている感覚などを感じながら話を聞きます。

その感覚を保持しながら、胸やお腹の下の方にクライエントの話を入れていく感じです。

そうすると、どういう応答がいいのか、身体が反応して教えてくれる感じです。

頭で「どう言おう」と考えているうちは、適切な応答は出てきません。

身体が自然と反応し、適切な応答が浮かぶ。

そういう集中状態にもっていけると、深いカウンセリングが出来ます。

私自身、こういう状態にもっていくには、相応の集中力が必要です。

ですから、体調管理にはそれなりに気を遣っています。

就寝時刻と睡眠時間はいつも同じ。

適度な運動とゆっくり過ごす時間の確保。

こうしたことを毎日の生活で心がけています。

傾聴には、実は、身体感覚が重要なんです。

初めのうちは、どうしても頭で聞いてしまいます。

「どんな言葉を返そうか」と、いろいろ考えてしまいます。

考えている瞬間、話は聞けなくなっているのですが、はじめのうちはそれでもかまいません。

考えないで聞く、頭ではなく心で聞く。

身体感覚を研ぎ澄まして聞いてみる。

そういう意識で何度も聞いていると、ある時、その感覚が掴めます。 


傾聴の姿勢と技法の関係 

先日オープンセミナーの休憩時間に、参加者(産業カウンセラー)の方から、こんな質問を受けました。

———————————–
クライエントの話を聞いていると、「よく頑張ってますね」って言いたくなるんですけど、それはダメな対応なんですか?
———————————–

その方の質問内容をようやくすると、こんな感じでした。

なぜ、この質問が出てきたかというと、この時の授業内容が元でした。

この時はカウンセラーの応答トレーニングと題して、実際の逐語記録を元に、参加者全員で、ある場面での応答を作り直しました。

その際に、先ずは、クライエントの一番言いたいことを押さえた応答を意識するようにお願いしました。

必要最小限の言葉にまとめたものを作って頂きました。

なぜなら、そういう応答の方が、カウンセリングが進展するからです。

また、取り組んでもらった場面は面接の最初の部分でした。

ですから、クライエントの話を先ずはしっかりと確認していくところ。

余計な動きを入れず、そのことに専念してもらう意識で応答を作成してもらいました。

質問が出たのは、その後の小休憩の時間の時のことでした。

先の質問に対して私は次のようにお答えしました。

————————————–
クライエントの話を聞いて、あなたが本当にそう感じているのなら、それを伝えてみる価値はあるかもしれません。

話を聞いて、あるいは話している様子を見て、心から「ああ・・頑張ってるなあ・・」という実感が出てきたのなら、それをそのまま言葉にして伝える意味もあるとは思います。

しかし、励ませばクライエントにプラスになるとか、技法として教わったからという理由で、それほど実感が伴わないのに「使う」とします。

その場合は、そこに血が通っていないので、クライエントの心には何も響くものはないでしょう。

そればかりか、下手にやれば、かえって不自然さが漂って、クライエントが不信感を抱く可能性も出てきます。

そもそも、そうした激励をクライエントが欲していれば別です。

しかし、こちらが技法的に、或は作為的に使いたいだけであれば、私はお勧めしないですね。

あくまでもクライエントがこちらに伝えたかったことをしっかりと受け止めることが基本です。
————————————–

カウンセリングの種々の技法というものは、技法のための技法であってはならないと思います。

カウンセリングの技法は、クライエントの精神的回復になるからこそ必要です。

そういう根拠がないまま技法的な対応をしても、クライエントには迷惑なだけです。

例えば「ここで励ましておけば、クライエントは喜ぶに違いない」とか、「自分の問題についてもっと話し始めるに違いない」といった考えですね。

こういう意図的、作為的な技法の使い方はやめましょう。

一歩間違えば、人をこちらの思い通りに動かそうという発想と紙一重です。

こういう発想では、カウンセリングは必ず失敗します。

クライエントが今、心の中で何を思い、何を伝えたいのか。

それが感じ取れてもいないのに、技法でお茶を濁すようでは、上手くいきません。

私たちカウンセラーは、あくまでも目の前のクライエントと対面しています。

生身の人間を前にしているわけです。

目の前のその人の心は、刻々と移り変わり、目まぐるしく思いを巡らせています。

そういう人間相手の対応ですから、注意や集中は常にクライエントの内面に向けましょう。

そして、カウンセラーであるあなた自身も、自分の実感を大切にして頂きたいのです。

自分の中に実際の存在する感情や捉え方、そこから出発してほしいのです。

頭の知識や固定観念にとらわれず、クライエントを前にして現に今ある感情。

その感情をしっかりと感じ取りながら言葉を投げ返すのが、応答の基本です。

それから、もう一つ今日はお伝えしたいことがあります。

それは、励ますとか褒めるといった技法についてです。

いえ「励ますとか褒めるが、技法的に使われることについて」といった方が正確ですね。

人間というものは、困難に直面したり、精神的に追い込まれたとき。

人からの賞賛や励ましは、実は、それほど力にはならないものなんです。

自分が努力して、ある成果を実感できたとき、そのことを賞賛されたり励まされたときは、それが力に変わることもあります。

しかし、困難に直面している時や、精神的に参っている時には、賞賛や励ましというのは、焼け石に水どころか、かえって傷つけることもあるのです。

つまり、賞賛や励ましの危険性に無頓着で、ただ技法だからと使っていたら、知らない所で人を傷つけることにもなりかねないということです。

また、自分の問題に向き合おうと本気になった人間は、そのような賞賛や励ましなどには耳を貸しません。

そうした賞賛や励ましを欲しているということは、まだまだ本気になれていないということです。

本気になった人に「頑張ってますね」と言っても、「まだまだです」と返されるのがオチです。

なぜなら、本気になったときの人間というのは、物事を非常にシビアに見極めようとします。

そしてまた、より慎重に行動していこうともするものです。

そういう状態の人に「頑張ってますね」は、あまりピンとこないのです。

こういうことを考えていくと、カウンセラーという仕事は、本当に人間理解の深さが求められるな・・と思います。

上っ面の知識や、技巧的な技法に終始するのではなく、本当に心を通わせる「あり方」「感覚」「心構え」などが必要です。

カウンセリング面接は、こうした様々な要素が混在しながら、心、感情という「動き」の中での対応を求められます。

ですから、カウンセリング面接を成功させるためには、そうした動きそのものをよくよく熟知していることが必要になりますね。
 

傾聴と共感的理解  

傾聴という言葉。

この言葉はご存知だと思います。

カウンセリングの勉強をした方。

相談業務をされている方。

そうした方々には、お馴染みの言葉でしょう。

ところがです。

授業で「傾聴とは何でしょう?」と質問します。

しっかりと答えられる人、意外に少ないんですね。

続けて「どうすれば傾聴できていると言えますか?」と質問。

皆さん、無口になってしまいます(笑)

さらには「傾聴の力はどのようにつければ良いですか?」と質問。

無口に加えて、とても困った顔に・・・・

カウンセリングのスクールで学んだ人も同様です。

カウンセラーの資格を持っている人も同じです。

傾聴について、しっかりと答えられる人はいません。

なぜだと思いますか?

答えは簡単です。

知らないから、そして経験がないからです。

知らないというのは、傾聴が何か、どう磨いていけばいいか知らないんです。

経験がないというのは、ちゃんと傾聴できた経験がないということです。

今までいろいろ勉強してきたし、資格も取ったのに・・です。

更には、実際にカウンセリングのセッションや相談業務の経験のある人も同じです。

セッションや業務の経験はあっても、傾聴できた経験がない。

あるいは、出来ていないのに「出来ている」と錯覚している。

だから答えられないわけです。

では、共感もしくは共感的理解という言葉はどうでしょう?

こちらも聞いたことがあると思います。

ところが、同じ質問をすると、皆さんの態度は同じ。

共感的理解とは?実践できている状態とは?どうすれば磨けるの?

やはりちゃんと答えられない、無口になる、そして困った顔・・・・

くれぐれも「言葉を繰り返す(オウム返し)」なんて言わないでくださいね。

そんなの、傾聴でも共感的理解でもなんでもありませんから。

相手の言葉を拾えばいい?

それも全くもってナンセンス。

実際にやってみればわかります。

不自然ですごい違和感を覚えます。

その場が微妙な、無理やりな空気に満ちてきます。

それなのに「これがカウンセリングです」と教えられる。

疑問に思ったことはないですか?

傾聴にしても、共感的理解にしても、実践できた経験があれば、そんなおかしなことは教えません。

「経験」があるので、感覚的なものも持っています。

実践経験は様々な状況対応の連続です。

そうした対応経験が蓄積されているのです。

だから、どんな質問にもしっかりと答えられます。

そして、質問者が納得できる答えを伝えることもできます。

それなのに・・・です。

なぜ、多くの人たちが答えられないのでしょう?

カウンセリングを学ぶ場は、ものすごくたくさんあります。

それなのに、どうして答えられない人もたくさんいるのでしょう。

傾聴とは何か?

答えはちゃんとあります。

共感的理解が出来ているかどうか、どう判断するの?

判断の仕方、見極め方というものが、これまたちゃんとあるんです。

どうすれば傾聴や共感能力を磨けるの?

これもちゃんとしたトレーニングの方法が確立されています。

いつ確立されたのか?

昭和20年代です。

え?と驚かれた方もいるでしょう。

昭和20年代といえば、今から60年も前のことです。

そんな昔から確立されていたのに、多くの人がそれを知らない・・・・・

なぜ、こんな事になってしまったのか?

その話は、別の機会にお伝えします。

それより、傾聴と共感的理解です。

傾聴と共感的理解とは何か?

どういう対応によって、実現できるのか?

その技術を磨く学習法、練習方法はあるのか?

あなたは知りたくはないでしょうか?

これが本当に役に立つのか?という勉強を、今後も続けますか?

それとも、正しい勉強によって、着実に力をつけたいですか?

傾聴と共感的理解。

この能力を身につければ、様々な相談業務に適切に対応できます。

様々な相談内容に応えることもできます。

相談者が心理的に成長し、問題解決につながる面接が実現できます。

「あ~癒されました」「勉強になりました」

その場の盛り上がりは、何も解決してくれません。

信頼できると感じさせる対応が出来なければ、セッションに通ってくれません。

クライエントの心を深く動かすセッション。

傾聴と共感的理解に導かれた結果の成果なんですね。

養成塾で「ある方法」でカウンセリングを学んでいる人は、毎回着実に実力をつけていきます。

この「ある方法」というのも、日本ではもう60年前からありました。

ですが、多くの人たちは面倒くさいのか?やろうとしません。

これをやれば、確実に能力があがる。

傾聴・共感的理解の力がつく。

そう説明しても、ほとんどの人がやろうとしません。

だから、その「ある方法」をやった人は、他の人から抜きん出てしまいます。

なぜなら、ほとんどの人がやらないことをやったから。

やっている本人も、自分の変化を確実に感じます。

地道な努力ですが、効果は絶大なんです。

傾聴・共感的理解は、センスでも才能でもありません。

センスにも才能にも無縁の私が言うのですから、間違いありません。

生まれ持ったものなどではないんですね。

どれだけ正しい学習と訓練を続けたか?

違いはそこだけです。

つまり、やったか、やらないか。

差はそこだけなんですね。

その正しい学習と訓練をぜひ実践して頂きたいと思います。 


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