話しの聞き方のコツとポイント




話しの聞き方は話し方よりも重要ですが、多くが話し方を何とかしようとして迷路にはまります。

ビジネスや社交会話、家庭での団欒も含め、話を聞くのが上手な人は人間関係を楽しむことができます。

そして、その話の聞き方のヒントはカウンセリングで実践されている「傾聴」にあります。

話しの聞き方を傾聴を例にわかりやすく解説します。 


<目次>
話しの聞き方のコツとポイント 
話しの聞き方と心理 
話しの聞き方と態度 


話しの聞き方のコツとポイント 

「”ここ”で聞けるようになると、面接が深まるんだ」



師匠が生前、よく口にしている言葉でした。

“ここ”というのは「こころ」のことです。

師匠は自分の胸より下のあたりを指さしながら「ここで」と言っていました。



中国の古典、荘子の「人間世編(じんかんせいへん)」の中に、こんな言葉があります。



「人の話は耳で聞かずに 心で聞け」



師匠の言わんとしていることと同じなんです。



そして、「人間世編」のこの言葉は、さらにこう続きます。

「心で聞かずに 気で聞け」

まあ、一瞬「???」みたいな話です(笑)



私も最初は、この言葉の意味もわかりませんでした。

そして師匠が「ここで」という感覚もわからなかったです。



しかしその後、何年も自分で試行錯誤し、悩み、探求をあきらめずにした結果。

自分なりにこの言葉の意味と、そして「感覚」がわかってきました。



「耳で聞く」を師匠はよく「頭で聞くな」という言い方で注意しました。

頭で聞くというのは、知的な感覚のみを働かせるなということです。

話しの内容、言葉の意味、そういう表面的なものだけを追いかけるなということでしょう。

クライエントの話を、ただ「情報として」だけで聞くなということです。



そうではなく、もっと深い感覚を働かせて聞けと言っていました。

つまり、クライエントがある話をする場合、その話の内容や言葉の意味、文章の意味だけに囚われない。

その話を通してクライエントが言いたいこと、クライエントの経験の世界をリアルに想像せよ。

そのリアルな想像の世界から起きる自分の感覚をもとに、反応せよということでしょう。



もっとわかりやすく言うと、相手の話を聞いて、自然と起こる感覚を頼りにせよということです。

そして、そこには「クライエントの伝えたいことを伝えたいままに受け取っている」こと。

さらには「クライエントがわかってほしいことをわかってほしい通りに理解できている」ことが条件です。



クライエントが話しながら想起している経験の世界を、こちらもできる限り同じようなものを描けている状態。

その描いている映像から浮かんでくる自分(カウンセラー)の感覚や感情を頼りに、応答していく。

これが師匠の言っていた「ここで聞け」であり、荘子がいう「心で聞け」でしょう。



クライエントの話を、ただ情報としてだけ聞くのではない。

一人の人間にふれ、その人の人生にふれるように聞く。

クライエントの人となり、そして人生を深く味わうということです。



そして、その経験の世界をよりリアルに、より鮮明に描くためには、深く途切れることのない集中力が必要です。

この集中力の深まった状態で相手の話を聞くことを、荘子は「気で聞け」と表現したのではないか?

私はそう捉えています。



養成塾では時々、塾生の皆さんに「話を立体的に聞けていますか?」と問いかけます。

これは、相手の話を聞く際に、音声レベルだけで、つまり事実や内容、言葉の意味だけに反応してませんか?

相手の話を聞き、相手の経験の世界を映像化して(立体的に)聞けていますか?という意味です。



もちろん、この立体的に聞く方法は、逐語などの記録に沿って、具体的に一つ一つお伝えしています。

この話はこういう応答が出来るようになると、立体的に聞けたといえますよ・・という感じです。

この聞き方ができると、一つ次元の違う聞き方ができるようになります。



5月か6月には「傾聴スキルセミナー」で、この聞き方のコツや方法をお伝えする予定です。

現在は主に「カウンセリングマインド養成コース」という個別レッスンや、
養成塾のイーラーニング「オンライン講座」にてお伝えしています。



いずれにしても、話を聞くという行為一つでも、突き詰めていけば、その奥の深さに驚かされることと思います。

そして、このような聞き方が出来ることで、クライエントの、いえ、人間の変化・成長のポテンシャルを引き出すことにもつながります。

この仕事(カウンセリング)は、そうした人間の未来への可能性を感じさせてくれる場面に立ち会える素晴らしい仕事だといえます。


話しの聞き方と心理 

人の話を聞くときに一番必要なこと、それは「反射神経」です。

目の前の相手の投げかけに、その場でいかに適切に応えるか?

常にこれが問われるからです。

理論や知識は、もちろん必要です。

しかしそれは、必要条件の一つでしかない。

最も大きなウェートを占めるのは、咄嗟(とっさ)の「反射神経」の有無です。

ですから、養成塾ではこの「反射神経」の使い方や磨き方を伝え、繰り返しトレーニングします。

最初はいくら意識してやっても、上手くいきません。

何度やってみても、思うようにはいかないものです。

でも、それでも繰り返しトライします。

実は、ここが一番辛抱のしどころです(笑)

やってもやっても、報われない感じがするからです。

でも、ここを通り抜けなければ、先へは行けないのです。

踏ん張って繰り返しトライし続けていくと、やがてある時、出来たという感覚が掴めます。

また、上手くいかないことが繰り返されますが、再び「出来た」という感覚を得ます。

今度は続けていくうちに、この感覚を得る頻度が増えます。

さらに続けていくうちに、やがて無意識にできるようになっていきます。

つまり、意識しなくても、自然な感じで、傾聴や共感をしっかりとできるようになります。

ケースの見立ても、的確なものがパッと浮かびます。

人間の神経は、ある能力を得ると、直観的な反応を通して、その能力が発揮されます。

パッと思い浮かぶことが、無数の選択肢の中で、最も確かなものだという状態になります。

その領域に達すると、他の人たちには見えないものが見えます。

一番重要なものが、一番最初にパッと捉えられるようになります。

ここまでたどり着くには、やはり繰り返しと継続です。

それも「正しいこと」を、繰り返し、続けること。

物事を習得する秘訣は、実にシンプルで、たったこれだけです。

そして、このシンプルだけども一番確かな道。

これを体系化し、歩道のように整備したもの。

それが養成塾のプログラムです。

「傾聴スキルセミナー」は、そのプログラムを体感して頂く「体験講座」でもあります。

日常のコミュニケーションも、反射神経を使って行っているはずです。

その神経をさらに鋭く、深く、繊細に駆使する。

それがカウンセリング(傾聴)の「反射神経」です。

つまり傾聴スキルをレベルアップすることは、そのまま日常の人間関係を一変させる可能性があるんです。

私自身、このスキルのレベルアップに取り組み続け、人間関係の幅と中身が大きく変わりました。

より様々な価値観の人と、必要があれば深く関わり、人によって一番最適な距離感も掴めるようになりました。

これは、日常生活だけでなく、仕事をしていく上で、ものすごく重宝します。

短い時間でもしっかりとコミュニケーションが取れるため、一度会っただけなのに、その後、仕事を頼まれたりします。

傾聴スキルというのは、別な言い方をすると、信頼関係を瞬時に築く技術といえるかもしれません。
 


話しの聞き方と態度  

「聞き方講座」をしていると、よくこんな場面があります。

それは、話し手の人間の話が終わった瞬間、聞き手がその話とはピントのずれた言葉を返す・・というもの。

つまり、話し手が一番言いたかったこととは、的の外れた言葉を返してしまうという場面です。

そもそも、なぜそのようなことが起きるのでしょうか?

それは話し手の話を聞き手が「しっかり聞けていない」のが原因です。

しっかり聞けていれば、一番言いたいことがわかり、それに応じた言葉で反応できるからです。

ところが、一番言いたいことが何かが聞けていないと、的外れな反応をしてしまうわけです。

この的外れな反応をしてしまうのは聞き手の中で「言いたいこと」が浮かんでしまうからです。

聞き手の中で言いたいことが浮かんでくると、もうそれを「いつ言おうか」という状態になります。

「いつ言おうか、いつ言おうか」となりますから、もうその時点で話し手の話は聞けていません。

こういう状態に、聞き手は往々にして陥りがちです。

これは、子どもと話している時の親御さんや、生徒と話しているときの先生に起こりやすい現象です。

部下の話を聞いているときの上司や、顧客の話を聞いているときの営業の方も同様です。

それぞれに共通していること。

それは、話の途中で「言いたいことが浮かんでしまう」ということです。

そもそも、言いたいことがあるのは話し手のほうですよね(笑)

言いたいこと、伝えたいことがあるからこそ、話し手は話をしているはずです。

聞き手は、その話を聞いています。

つまり「話し手の言いたいこと」を聞いています。

ところが、話し手の言葉、表現、内容など、何かの要素に聞き手は反応を起こします。

何かを思い出したり、感情が起こったり、それに伴って言いたいことが浮かびます。

すると、その言いたいことに気を取られて、話し手の話が耳に入ってこなくなるのです。

あなたは、こうした経験はないでしょうか?

実は、これが聞けなくなる原因として、非常に多くみられる現象なんですね。

多くの人が、言いたいことが邪魔をして、相手の話を繊細に聞く神経を働かなくしているのです。

しかも、ほとんどの人がその現象に無自覚です。

このテーマで、あるエピソードをご紹介しましょう。

私がまだ駆け出しのカウンセラーだった頃の話です。

私は、自分のあるケース(カウンセリング面接)の録音と、逐語記録の両方を師匠に提出しました。

ケースカンファレンスでその録音が流れ、参加したカウンセラーたちが逐語に目を落としました。

その面接はその頃の私にとって、非常に難しい、苦戦を強いられる面接でした。

一体どうすれば良いのか?

本当に困って困って、師匠のアドバイスを仰ごうとしたのです。

そのカウンセリングでは返す言葉がなく、返した言葉も不適当で、どうしようもないと思っていました。

すると、師匠はこう言ったのです。

「鈴木さんの応答は、確かに未熟であり、検討の余地はいろいろある。
しかし、鈴木さんの内面では、"余計なもの"は一切起こっていない。
とにかく、ひたすら聞こうとしていることだけは確かだ」

私はきつねにつままれたような気持ちになりました。

ダメ出しの連続をされるつもりで提出したケースでしたが、吉田は私の聞く姿勢に一定の評価を与えたのです。

今日のテーマで言えば、少なくとも、「言いたいこと」というものは、全く浮かんでいなかったということになります。

確かにそれだけは、自分でも「そうだったなあ・・」と思います。

当時の私には、なぜそういう姿勢で聞けたのか、明快に説明することはできませんでした。

しかし、今なら説明はできます。

それは、相手の話に強い関心を持ち続けられたからです。

相手が経験した苦しみ、悲しみ、痛みはいったいどんなものなのかを、ひたすら知りたいと思っていました。

とにかく知りたい、とにかく知りたい。

その一心で話を聞いていたわけです。

だから、言いたいことが浮かんでくる余地がなかったんです。

知りたいという思いと強い関心しかなかったからです。

逆にいえば、言いたいことが浮かんでくるということ。

それは、知りたいという思いが弱いからです。

関心の程度が弱いからです。

人間を知るというのは、とても深い学びになります。

ある意味、大変興味深い世界を知ることにもなります。

相手が伝える苦しみ、悲しみ、痛みを怖れてはなりません。

その苦しみ、悲しみ、痛みを通して相手(人間)を深く知ろうとすることです。

相手を深く知りたい。

一人の人間として純粋に関心を寄せて、聞き続けたい。

その思い(姿勢)こそ、しっかりと聞けるようになる第一歩だと思います。


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