自分を変える勇気~小学3年生Tさんが教えてくれた


こんにちは、鈴木です。

私は若い頃、頭でっかちなところがありました。

何でも頭で考えてしまって、
行動面がちょっと疎かになっていました。

考えてばかりで行動が伴っていなかったんです。

そういう傾向がちょっとありましたね。

その後、自分なりにいろいろ試行錯誤し、
行動すること、すなはち、経験すること。

これが、本当に大切なんだと身に沁みました。

行動=経験すること が大切。

頭で考えてばかりで行動を起こせないと、
自分に何も起こりません。

何かが起これば、それが刺激となって、
今までとは違うことを考え、学べます。

行動することによって、経験が得られる。

経験から新たな気づきや学びが得られる。

これは、当時の私にとって、
大きな大きな発見でした。

もちろん、行動しても、
その行動を振り返る必要はあります。

行動の結果が教えてくれることって、
いろいろありますからね。

さらには、今の仕事、
カウンセラーという仕事ですね。

この仕事を通して、経験の大切さをさらに実感しました。

カウンセリングに通うクライエントの皆さんを見て、
やはり、経験と学びの大切さを感じたんです。

経験からいろいろな試行錯誤をする。

すると、その先には貴重なヒントや答えが見えてくる。

これも行動して経験を重ねていく以外に
起こりえないことです。

仕事のスキルを高める。

コミュニケーションを上手にする。

苦手だったことを克服するには、
やはり、頭の中だけで考えていてもできません。

「自分を変える」というのも、そう。

最初は怖かったり、葛藤があって、
なかなか行動に移せないかもしれません。

行動しても、どうせ成果は得られない。

自分なんて変えることができるのか?

そんな風に思ってしまうかもしれません。

もし、失敗したらどうしよう・・・

そう考えると不安になり、
なかなか行動を起こせなくなります。

そう、この「もし失敗したら・・」という葛藤。

これが一番多い葛藤だといえるかもしれません。

カウンセリングでは、この葛藤を
いかに乗り越えられるか?に取り組みます。

そこで、忘れられない、
こんなエピソードがあります。

以前、小学校のスクールカウンセラーをしていた時のこと。

3年生のTさん(女子)は、
そんな瀬戸際に立たされていました。

授業中に手を挙げられない。

クラスの誰かに話しかけることも出来ない。

それで、一人で悶々と学校生活を過ごしていました。

そして、こんな葛藤を誰にも話せず、
ずっと悩んできたのだそうです。

そこで、Tさんは思い切って、
私がいる相談室を訪れます。

「先生、私は意気地なしなんだ」

Tさんの口から、そんな言葉が聞かれます。

鈴木「じゃあ、ここ(相談室)に来るのも・・・」

Tさん「そう、すごく迷ったけど・・」

鈴木「勇気を振り絞って来た<うなづく>」

Tさん「自分が変わりたいと思って、それで先生に相談しようと思った」

鈴木「自分を変えたいと思った」

Tさん「手を挙げたり、他の子に話しかけられるようになりたいんだ」

鈴木「自分から動こうと<うなづく>」

Tさんとは、相談室で、
そんなやり取りを重ねていきました。

私はTさんは、自分の覚悟を固めるために、
この相談室に来ていると感じました。

そんな思いがTさんの言葉の端々に感じられたからです。

小学3年生、小柄なTさん。

そんなTさんが、健気にも、
大人顔負けの自己変革に取り組もうとしている。

私は、彼女のそんな姿勢にふれ、
いつも敬意を表しながらカウンセリングをしました。

そして、カウンセリングの回を重ねるたびに、
彼女はたくましくなっていきました。

やがてTさんは、授業中に初めて、
自分から手を挙げます。

一瞬、教室の空気に緊張が走ります。

今までにない光景に際して、
クラスメイトも先生も、内心驚いたのでしょう。

Tさん、実はこんな風に空気が変わることも
避けたかったと話していました。

自分が何か余波を起こすことを怖れたのです。

しかし、Tさんの中で、余波への懸念より、
自分を変えたいという思いが、やがて上回ります。

私は当初、休み時間にクラスの子に
話しかける方が先だと思っていました。

その方がハードルが低いですしね。

でも、彼女はあえて、
ハードルの高い方を先に選択しました。

勝負に出たわけです。

最も緊張の高い場面で手を挙げ、発言できた。

周囲も暖かくそれを見守ったこと、
それがTさん本人にも感じられたこと。

いろいろな要素が奏功し、
Tさんはその場面を境に、ガラッと変わりました。

人が変わる時、それは一瞬でおきる。

しかし、その一瞬を迎えるまでには、
Tさんも果てしない葛藤をしてきました。

頭の中でグルグルと考え、悩み続けました。

そして最後には行動を起こしたのです。

その結果、行動できたという経験と、
周囲が受け容れてくれたという実感。

これが、Tさんには計り知れない自信となり、
Tさん自身も、そんな自分を
全て受け容れることができました。

最後のカウンセリングでTさんは、
その時の経験を、こう振り返ります。

Tさん「手を挙げられたときは、呆気なかった」

鈴木「もっと早くやってればって思った?」

Tさん「そう思った(笑)でも、悩んだのも無駄じゃなかったと思う」

鈴木「いろいろ学ぶこともあったのかな?」

Tさん「うん、悩んでいる人の気持ちも経験できたし、
悩んだから、嬉しい気持ちも大きかったような気がする」

鈴木「悩んだことは無駄じゃなかった。意味があった気がする。」

Tさん「そう思った。先生、ほんとにありがとう」

数多の小学生と対話を続けてきて、私は、
小学生の葛藤も、大人と全く変わらないと感じました。

葛藤の中で考えること、迷うこと、重圧感、
自分自身に対する思いなど、同じなんですね。

語られる言葉や表現も、大人とあまり変わりません。

行動すると、経験が得られる。

経験から学ぶことは、自分を変えてくれる。

行動こそが、道を切り拓いてくれる。

そのことを、小学校3年生の女の子が、
改めて私に教えてくれたエピソードでした。

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