人の心を動かす言葉とは?




こんにちは、鈴木です。

「カウンセラーほど、説得力のない存在はない」

カウンセラーは専門家です。

心理の専門家でもあり、人間関係の専門家でもあり、
こころの問題解決の専門家でもあります。

しかし、私はカウンセラーほど
説得力のない存在はないと思っています。

子どもが学校に行かなくなった。

どうすればいいのかと、相談される。

しかし、カウンセラーは、その子の親ではない。

その子の人生を、一生支えることはできない。

そういう意味では、非常に説得力に欠ける存在です。

職場の人間関係で苦しんでいる。

そういう人の相談に乗ることはできても、
その人の代わりに職場で働くことなどできない。

そういう意味でも、カウンセラーの存在自体には
説得力というものがありません。

これほど説得力がない立場なのに、
カウンセラーは何か言わなければならない。

人生がかかった相談事に対して、
きちんと対応していかなければならない。

カウンセラーという仕事には
こうした「矛盾」が大きくのしかかってくる仕事です。

しかし、これほど説得力のない存在にも関わらず、
カウンセラーには誰よりも説得力が求められます。

問題解決の伴走者として、カウンセラーのたった一言に、
深い説得力が求められます。

なぜなら、クライエントはカウンセラーのたった一言をも
固唾(かたず)をのんで待っているからです。

こんなにも説得力に欠ける存在のカウンセラーが
誰よりも説得力を求められる。

この大きな大きな矛盾に、多くのカウンセラーが、
何度も「葛藤」を経験します。

あるカウンセラーは辞めてしまう。

あるカウンセラーは、メンタルが参ってしまう。

あるカウンセラーは「てきとう」にやり始める。

あるカウンセラーは、
クライエントを「支配」し始める。

カウンセラーが社会的信用や信頼を失うのは、
こうした誤った選択をするからです。

しかも、本人は無意識であったり、
無自覚でやっているので、厄介です。

では、説得力がない立場なのに深い説得力を得るには、
いったいカウンセラーはどうすれば良いのでしょうか?

果たしてどんな選択を取るべきなのでしょうか?

答えは、自分なりの哲学、言葉をもつことです。

例えば、河合隼雄氏はこんな言葉を残しています。

「心理の専門家とは、人の心はわからないということを
骨身に沁みてわかっている人間のことを言う」

こうしたことが言えるのは、
カウンセラーなりの哲学を持つからです。

この哲学を別な言葉で言えば、
「自分の軸」といってもいいでしょう。

こうした哲学、自分の軸というのは、
「経験から学ぶ」という姿勢がなければ得られません。

何かのセミナーや教科書で学べるわけではないのです。

自分が様々な経験をしていく中で、
実感として得られたことが、自分の哲学になっていきます。

こうした実感が哲学になり、
自分の哲学を言葉にしていく。

ここに何にも増した「説得力」が生まれます。

私はカウンセラーのどの一言を取っても、
そこにその人間の哲学が必要だと思っています。

経験に裏打ちされた哲学が言葉になるからこそ、
苦しんだり、心閉ざしたりしている人間にも、
その言葉は響くのです。

これからのカウンセリングには、
この哲学、自分軸が必要だと考えます。

もっというと、傾聴や共感にも、
背景にカウンセラーの哲学が必要です。

哲学を背景にしているからこそ、
傾聴や共感、そしてカウンセラーの応答に
「深み」と「響き」が出てくるわけです。

悩み、苦しみ、絶望している人間には、
人の言葉を聞き、受け容れる余裕などありません。

そうした人たちの心に響く言葉。

それは、積み上げられた経験値と、
深い人間洞察に裏打ちされた
哲学を背景とした言葉です。

追伸:

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以上

共感と共感できたフリとの違いとは?




こんにちは、鈴木です。

先日、あるカウンセリングで、こんな話が出ました。

中学生の息子さんが不登校になられたお母さんが、
「共感」について、こう言いました。

よく「共感しましょう」って本に書いてあったり、
勉強会なんかでも言われます。

でも、それがなかなか出来ないんです。

なぜって、息子と会話がなかなか無いから・・・・

学校の話しも一切しないし、
会話があっても学校とは全然関係無い話ですし・・・

このお母さんは「共感しなきゃ」と思うあまりに、
とても焦っていたというのです。

そもそも、会話が十分できないのだから、
共感したくても難しいと・・・

この話には、いろいろな問題提起を感じます。

別な言い方をすると、ヒントが隠れているんです。

共感というのは「実感」が必要なんです。

共感できたという実感ですね。

あるいは「わかった」「そうだったのか」という反応です。

この実感や反応があるからこそ、
それが相手(息子さん)にも伝わる。

だから、お互いの関係性が変わっていくんですね。

実感のないまま、共感できるよって態度を取る。

それは「共感」ではないんです。

共感できた振りをするっていいます。

わかっていないのに、わかったような態度を取る。

それって、相手からするとすごく虚しいし、
場合によっては苛立つことなんです。

だから、実感もないまま、実感があったかのようにふるまうと、
特に思春期の子どもは、猛烈に反発するんです。

「わかってもいないくせに、わかったようなことを言うなよ!」

これ、不登校になっているお子さんだじゃなく、
思春期の子どもの一般的な反応です。

思春期じゃなくても、デリケートな心理状態にある子は、
こういうところ、すごく敏感なんですね。

ある意味「うそ」や「矛盾」に対して、
嗅覚がものすごく鋭くなっている。

こちらに「わかった」「そうだったのか」といった実感がない。

だったら、実感ないなあって言っていた方が、
まだ正直でウソがない態度ですよね。

信頼関係を築くには、そこに「ウソ」が無いこと。

これがとっても重要になってきます。

人間、本当に共感できたとき、
静かだけど確かな「そうか」って反応が起きるんです。

なるほどっていう実感は、大きくはないけど、
そこに「間違いない」って感覚があります。

もう、それ以外にあり得ない、そういうことなんだ。

こういう「確かな感覚」があります。

こういう実感があるから、それは自分の言葉になりやすい。

自分なりに理解を持てたからこそ、
その理解を自分の言葉で伝えられる。

これが「共感」です。

だからね、おうむ返しにはならないんです。

おうむ返しになりようがない。

自分の言葉がちゃんと浮かんでくるんです。

先の中学生のお母さんの証言。

実感がないのにある振りなんかできない。

そういう心情の吐露でもある。

共感は人から言われて出来るものではなく、
自分が実感するものなんですね。

どうぞ、自分の実感を大事にしてください。

そして、この実感を得るためには、
やっぱり相手を徹底的に観察できないとならない。

この観察の一つとして会話上でなされるのが
「話を正確に聞く」ということ、つまり傾聴です。

実態のある共感を得るためには、
徹底的に観察が要るし、
傾聴ってそのために必要なんです。

ということは、会話が成立しない状況であっても、
徹底的な観察はできますよね。

先の中学生のお子さんでいえば、
日々、家の中でどいう風に過ごしているかです。

昼夜逆転の有無、食欲の有無、顔つきや言動。

昼間や夜に多く過ごす部屋、過ごさない部屋。

どの話にどういう反応を示すか?

学校に関係した話題やワードには、
どの程度の抵抗を示すか、示さないか?

朝・昼・夕、そして夜の生活パターンはどうか?

外出する時は、どんな時か?

どの程度外出をするのか、しないのか?

学校の手紙を目にしたとき、どんな反応を見せるか?

先生が家庭訪問する時、どういう様子か?

友達が様子を見に来たときは?

その様子は、友達によって違うのか?

こうしたことは、会話が出来なくても観察可能ですよね。

こうした観察から得られる情報をもとに、
どんなアプローチが可能かを判断していきます。

そして、こうした観察から
「そうか」「なるほど」ということが見つかった時。

「この子はこういう思いだったんだ」

「そんなことを考えていたんだ」

という実感が得られたとき。

これも一つの「共感(的理解)」になります。

実感もないのに、「辛いね」「苦しいね」っていう
そういう言葉を投げかけることじゃないんです。

つまり、実感が得られるまでは、
徹底的に観察する(話を聞く)しかないってことです。

こう捉え直せば、不登校で会話もない。

そういう関係の中でも、
出来ることはあるってわかってきます。

どんな小さな動きも見逃さないってことが
どれほど大事かってこともわかってきます。

共感というのは「わかったという反応」であり、
自分なりに得心(とくしん)がいったという「実感」なんですね。

だから相手にもそれが伝わるし、
相手も「わかってもらえた」っていう「実感」が持てるんです。

だから、いかにこの実感を得られるかを考えて
人と対話していくことが共感につながります。

10月27日(金)「傾聴スキルセミナー」(東京)

11月19日(日)「傾聴スキルセミナー」(東京)

12月2日(土)「雑談スキル(話し方・聞き方)講座」(東京)

追伸:

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