どうしても許せない人がいるあなたへ




こんにちは、鈴木です。

私たちは、いつも調子が良いとは限りません。

時には、やることなすこと、上手くいかなかったり、
いくつものトラブルが同時に起きたり・・・・

あなたにもそうした経験が、
今までにありませんでしたか?

スポーツ選手でいえば、スランプがそうですね。

何をやっても、思うように結果が出ない。

それどころか、今まで当たり前にやれていたことすら、
全く上手くできなくなってしまう。

そのうち、ケガなどの故障が発生したり、
登録抹消などの問題にも直面したり・・・・

私たちの例でいえば、仕事や人間関係で
やはり同じような事態にぶつかることがあります。

仕事も人間関係も、いつも順調にいってくれれば、
こんなに楽なことはありません。

しかし、思うようにいかなくなった時こそ、
私たちは真価が問われるところがあります。

先に書いた悪天候下での判断と同じです。

交通がマヒした際に、どうすればいいのか?

悪天候に際し、どんな対策や行動を取ればいいのか?

仕事や人間関係など、
ものごとが思うようにいかないとき。

私たちはどうしても、
イライラしたり、落ち込みます。

つまり、感情的になって、
冷静な判断ができなくなります。

感情的になると、視野が狭くなりがちです。

だから、自分の身に起きている事を
正確に見据えることが、
どうしても出来なくなります。

カウンセリングでも、多くの人たちが
狭い視野の中で苦しんでいるケースが目立ちます。

だから、カウンセリングで感情が落ち着いてくると、
自然に視野が広がる(戻る)ので、
いろいろなことに気づきが生まれてきます。

こうした気づきを経験することで、
更に感情が落ち着き、視野が広がります。

この好循環に入っていけば、
カウンセリングに通えば通うほど、
状態(や状況)が良くなっていくわけです。

逆にいえば、この段階にたどり着くまでが、
一つの踏ん張りどころといえます。

以前「仕事で裏切られた」という経験によって、
そのトラウマに苦しんでいる方が
カウンセリングに来られました。

40代のHさん(男性)です。

心の中に「許せない相手」や、
「許せない出来事」がある。

こういう時は、本当に苦しい感情に苛まれるものです。

許せないという感情は怒りの感情です。

誰かを責めずにはいられない。

これは苦しいことなのです。

そして、そういう自分をもまた、
責めてしまうことが多いです。

人を許せない自分、
そういう自分が嫌だなと思うんです。

つまり、自分自身をも許せていない状態。

こうした感情の状態がずっと続くわけですから、
何をするにも苦しさがつきまといます。

Hさんも、こうした感情に苦しみ続けてきました。

しかし、どうにも自分の努力だけでは解決できない。

そこで専門家の力を借りたいと
カウンセリングに来られたのです。

カウンセリングに通っていくうちに、
Hさんは思いもよらぬことに気づきます。

それは、自分が

「許せないという感情は、
人間が抱いてはいけない感情だ」

「許せないという感情は、
決して抱いてはいけない感情だ」

と捉えていたことです。

そのことに気づいたと同時に、
Hさんは、もう一つのことに気づきます。

「許せないと思ってもいいのではないか?」

「許せないという感情も、
人間の自然な感情なんじゃないか?」

Hさんは自然と自分の許せないという感情を
受け容れるようになっていきました。

許せないという気持ちがあってもしょうがない。

ならば、今はこの
「許せない」という気持ちと共に生きていこう。

そうすると、Hさんの精神状態が大きく変化しました。

「許せない気持ちを抱く自分」を「許した」ことで、
ものすごく気持ちが楽になったというのです。

その結果、過去に対する気持ちにも
少しずつ変化が出てきました。

許せないという気持ち一色だったその相手や出来事に対し、
もっと幅の広い捉え方が出てきたのだそうです。

そして、Hさんは、最後の面談でこう言って
カウンセリングを卒業されました。

「裏切られたことそのものは、今も辛く悲しいことです。

でも、あの経験やこの苦しみがあったからこそ、
今の自分があると思えます。」

「この経験があって良かったとさえ、今は思える。

過去のあの出来事に、一方で感謝の気持ちすら覚えます」

自分で認めたくない感情を
もう一度、丁寧に見つめ直していく。

すると、これほどの変化を経験することもあります。

思うようにいかない状況をどう捉えるのか?

交通網がマヒしたとき、
過去のトラウマに向き合うとき。

何かを捉え直すことで、
新しい心境や道が見つかるかもしれませんね。

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以上

自分を変える方法、そのためには・・


こんにちは、鈴木です。

人って、変わることが出来るんでしょうか?

それとも、変わることは出来ないんでしょうか?

あなたはどちらだと思いますか?

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正解をいうと、「ある条件が整うならば」人は変われます。

逆にいうと、その条件が整わなければ、残念ながら変われません。

では、その条件、いったい何だと思いますか?

Tさん(女性35歳)は、職場の人間関係に悩んでいました。

どうしても人に心を開くことができず、
相手との関係を深められないというのです。

そのために、職場でしっかりコミュニケーションが取れず、
仕事でもミスにつながることもしばしば。

それで、転職を繰り返してきたというのです。

何度かカウンセリングに通ううちに、
Tさんはある話をしようと決意します。

それは、中学時代のいじめをうけた経験の話でした。

無視をされ、モノを隠され、そんな状態が2年続いたそうです。

学校には頑張って登校したそうです。

しかし、その頑張りは、結果的に裏目に出ます。

無理をして登校した結果、Tさんの心は傷だらけになります。

いじめを受けると、私たちの心はボロボロになります。

自尊心というものが破壊されてしまうのです。

それ以来、Tさんは自分はダメな人間だと思うようになりました。

いじめの恐ろしいところは、自分は悪くないのに、
自分がダメな人間だから
いじめを受けるのだと思わされてしまうところです。

Tさんも、それ以来ずっと、自分はダメな人間だと思ってきました。

自己否定感がぬぐえず、自分に自信がもてない。

だから、そういう自分を知られたくないと、
人とのコミュニケーションが消極的に。

それが、Tさんが人に心を開けない原因でした。

そこまで話して、Tさんは泣きました。

大きな声で、ずっとずっと泣き続けました。

私にはそれが、Tさんの何十年分の苦しみと悲しみの姿に思えました。

どのくらいの時間が経ったでしょうか。

Tさんは泣き切ったあと、しばらくうつむいたままになります。

時はさらに静かに流れていきました。

次のカウンセリングの冒頭で、Tさんはこう言いました。

「前回、今までないというくらい、泣きました。

でも、全てを話し、思い切り泣いたあと、
不思議と心が軽くなっていました。

なにか、自分の悲しみの全てに、苦しみの全てに、
ずっと寄り添ってもらったような感じがしました」

先日の講演会でもお話ししたことです。

人は、自分の悲しみ、苦しみをわかち合ってもらえたと実感できたとき、
心が動き、冷静になり、困難を克服する行動を起こすと・・・・

泣き続けるTさんを前に、私は黙ってそばにいました。

何もせず、ただただそこに座っていました。

大切なのは、何をするかではありません。

それをどんな気持ちでするのかです。

ただ座って何もしなかったとはいえ、
私はTさんの悲しみ、苦しみを、一緒にわかち合おうとしました。

だから私も苦しくて、悲しくて、やりきれない思いでいました。

でも、この気持ちを深くわかち合いたいと思って、
私はTさんの前に黙ってずっと座っていたのです。

講演会で、これも質問がありました。

鈴木さんは、辛い話をずっと聞いていて、
辛くなることはないのですか?

その悲しみ、苦しみにふれることは、
やはり一人の人間としては辛いことです。

しかし、辛くて聞けなくなるということはありません。

なぜなら、その悲しみ苦しみも、その人そのものだからです。

その悲しみ、苦しみ、怒り、寂しさにこそ、
今のその人が感じられます。

本当のその人にふれられる貴重な瞬間でもあります。

その本当の気持ちをわかち合うことは、
私にとっては、とても尊い時間なんです。

最近、新たにわかったことがあります。

私がなぜ、クライエントの悲しみや苦しみを
まっすぐ受け止めようとできるのか。

それは、その悲しみと苦しみの「意味」が見えてきたからです。

私たちの悲しみや苦しみは、人として成長するための試練です。

それを、頭の理屈だけではなく、
骨身にしみて経験してきました。

だから、悲しみや苦しみを「充分経験した人」は、
立ち上がって前に進むことができるとわかったんです。

Tさんに対しても同様でした。

この悲しみ、苦しみは、必ずTさんを前に歩かせてくれる。

Tさんは必ず立ち直ることができる。

私はカウンセリングの際に、そう確信して向き合います。

そして冒頭の質問の答え。

ある条件が整えば、人は変われると書きましたよね。

その条件とは

「本気で自分を変えたいという強い思い」

です。

いじめの経験なんて、やっぱり話したくはないです。

思い出したくもないんです。

無理に思い出したら、具合が悪くなることもあります。

しかし、Tさんは、いじめの経験を打ち明けるという選択をしました。

どんなにか勇気が要ったことでしょう。

どれほどの決断が必要だったことでしょう。

でも、この苦しい、そして大変な決断をさせたもの。

それは、Tさんの「自分を変えたい」という強い思い。

本気で取り組むのだという覚悟のなせるわざでした。

Tさんはその後、顔つきや言動が徐々に変わっていきました。

口にする言葉は前向きになり、職場での態度も変わり、
仕事もミスが減り、周囲との関係も良くなっていきました。

最後のカウンセリングのとき、
Tさんはこう言いました。

「ほんとうに辛かったですし、ほんとうに苦しかった。
途中でカウンセリングに行くのが嫌になったときもあった。

でも、今は、あの苦しいことがあったから、
ここまで来ることができたと思えます。

苦しかったことに感謝するなんて、
想像もしなかったことだけど・・・」

私はこうした言葉を何度も聞いてきていました。

人が変わるとき、悲しみや苦しみを乗り越えたとき、
同じような証言を何度も聞かせて頂いてきたのです。

「ありがとうございました。」

涙を浮かべておじぎしたTさんの背中を見送りながら、
私は人間の可能性の素晴らしさと
寄り添うことの大切さを、静かにかみしめていました。

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過去の苦しみを乗り越える

日本では過去に、数々の大地震がありました。

関東大震災、中越の震災、神戸、そして東北。

「風化」ということが言われます。

時間の経過と共に、その時の気持ちや起きた出来事、そして人々への思いが薄らいでくるというもの。

しかし、震災を経験した地域の方たちにとって、それらが風化するということは、基本的にはないと思っています。

日常で考えたり思い出したりする時間が減ることはあるでしょう。

なぜなら、私たちは今を、そしてこれからを生きていかなければならないからです。

しかし、当時の記憶、感情、その後の葛藤。

失ったものへの悲しみ、喪失感。

どうにもならなかったあの時の無力感。

何もかも失ってしまったような絶望感。

そうした記憶、感情、思いは、これからも風化することはないでしょう。

被災した当時のことは、おそらく今も克明に思い出され、鮮明な映像として脳裏に再現されるはずです。

たとえ今後、10年、20年、いえ30年経ったとしても、それは変わることはないでしょう。

戦時中のお話しを涙ながらにされる方々。

あの方たちの様子を見ると、当時の実感が生々しく蘇っているのを感じます。

あまりに辛く、記憶が封印されることはあっても、その当時の思い、悲しみ、絶望感は、そう簡単には風化はしないのです。

私は心理カウンセラーという仕事をしています。

ですからカウンセリングでは、震災に限らず、過去のトラウマを経験された方などから、そうしたお話しをずっと聞いてきました。

「それぞれの当時を語る」ということは、その人にその記憶も呼び起こすことになり、とても辛い気持ちにさせる部分もあるということも身に沁みています。

子どもの頃のいじめ体験をはじめ、心に深く傷を負った体験のお話しを聞くと、その鮮明さ、記憶の確かさに、却って胸が痛むこともたびたびありました。

大切な人を失った経験も、筆舌に尽くしがたいものです。

「生き残ってしまった」と自分を責める人たちに、なかなかかける言葉は見つかりません。

前向きという言葉が、これほど頼りにならない時もなかったと記憶しています。

時の経過によって、確かにうつろう部分もあります。

しかし、震災を直接経験した人たちの中で、その経験がある程度消化される人はいても、風化する人はいないと考えていいと思います。

トラウマやPTSDを克服する道も、並大抵のものではありません。

生き残ったからこそ、前向きに生きようと思える人もいれば、なぜ自分は生き残ってしまったのか、なぜ助けてあげられなかったのかと自分を責め続ける人もいます。

それぞれの人たちには、それぞれの受け止め方をする権利があり、同時にそうした権利があることにも苦しみます。

一方で人間の生きる力を信じたいというところもあります。

悲しみ、苦しみは、胸に深く刻まれるからこそ、私たちの人間性に深さを与えてくれる側面があることも事実。

そうしたいろいろな意味で「風化する」ことのない記憶や感情、そして実感。

全ては大切な学びになると信じて、今日もクライエントの経験と実感に寄り添えればと思っています。

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